受賞の観点
ITの活用と改善活動により、調剤薬局業務の安全性と効率化を同時に実現
URL |
http://www.ainj.co.jp/ |
業種 |
医療・福祉・子育て |
所在地 |
札幌 |
事業概要 |
調剤薬局・ドラッグストア |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
広域サービス型 |
提供サービス
全国に380店舗の調剤薬局を展開。ITの活用や改善活動によって、調剤過誤防止や業務の効率化に取り組んでいる。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、調剤過誤の防止に向けた機器やシステムの開発、また改善活動によって、利用者の安心・安全に貢献するとともに業務の効率化を実現している点にある。また業界のリーディングカンパニーとして、調剤薬局業界全体の信頼性向上という高い目標を視野に入れた事業活動を行っている。
- 調剤薬局業界のリーディングカンパニーとして、医療事故・調剤過誤に対してどのように対応すればよいかという問題意識を持ち、過誤率を減らし、きちんとした薬剤説明を行うことで、利用者の安心・安全と業界全体の信頼性向上に貢献することを目標とした。
- PDA(携帯情報端末)を使った調剤過誤防止システム「PhAinシステム」を自社開発し、処方箋の受付から会計に至るすべての業務に係る情報を一元管理している。このシステムの導入により、安全性の向上に加え、人材の効率化も実現した。
- 薬剤の配置を工夫し、風邪薬系、泌尿器系などで棚をグルーピング。また店舗によっては商品の50音順で時計回りに配置している。前者は導線を短くすることで効率化を図り、薬剤師が室内を歩きまわってもぶつからない大型店向けになっている。後者は繁閑の多い店舗などで利用され、他店舗の薬剤師にも混乱がないようにしている。またラベルによる区別や、危険薬の一括管理によってリスクコントロールを行っている。
- 処方箋に基づき薬を棚から取り出す「自動薬剤ピッキング装置」や水薬の調合作業を行う「水剤自動分注機」の開発により効率化を追求し、2009年から3年で30億円の投資によって導入を開始。自動化によって人為ミスを減少させ安全性を向上させるとともに、薬剤師が服薬指導に専念できるなど勤務環境の向上を図っている。
- 2009年より、誤って処方した後の対応、作り直しの人件費、廃棄分のコストなどを把握するシステム「PREM-S」の導入を開始。
- 以前は調剤室を広くとり、ベルトコンベアで処方箋が調剤室を巡っていたものを、製造業の考え方を取り入れ、1人が多工程を担当する「セル方式」に切り替えた。これによって、利用者の調剤がどの段階なのかが画面に表示され、問い合わせに「あとどれぐらいでできます」という回答を行っている。
- 処方箋を受付に出した後の待ち時間を利用した、電子薬歴による服薬指導サービスを提供。服薬指導というコミュニケーションによって、「待たされ感」の減少に貢献している。
- 調剤薬局運営のノウハウがすべて詰まったマニュアルを書籍化し、自社の社員教育に用いるとともに、蓄積したノウハウを公開することで、調剤薬局全体のレベル向上に貢献している。
- 全国に調剤薬局392店舗、ドラッグストア48店舗を展開(2010年3月現在)。
- 調剤事業売上高ランキングでは店舗数、売上高ともに国内トップ(2008年度)。
- 2002年に「PhAinシステム」を導入したことにより、薬を間違えたなどの過誤が大幅に減少した。現在、全店舗に導入されている。
一覧に戻る