ハイ・サービス日本300選
2014年4月25日
千葉県を中心に「カットオンリークラブ」など6ブランドの理美容店を展開する株式会社オオクシ(第8回 ハイ・サービス日本300選 受賞)。最近では、経済産業省主催の「平成25年度おもてなし経営企業選」にも選出されています。今回は顧客データの収集・分析により、サービスレベルと顧客リピート率の向上を実現した、同社のハイ・サービスをご紹介いたします。
1964年に父親が開業した個人経営の理容店を1997年に継いだ大串哲史代表取締役ののもと、今では「カットオンリークラブ」「美禅」「ヘアーサロンオオクシ」「ヘアカラーファクトリー」「カットスタイルクラブ」「カット:ビースタイル」の独自性のある6ブランドを展開されています。低価格チェーンの台頭にも関わらず同社は11期連続の二桁成長を果たすなど、今注目の企業です。
<カットオンリークラブ>
最近では、経済産業省主催の「平成25年度おもてなし経営企業選」にも選出されるなど従業員を大切にする会社としても評価されています。同社の経営理念は、「仕事を通じた従業員の幸せの追求と社会への貢献」。「経営の目的は利益の創出ではなく、社員が幸せな人生を送ること」という大串社長のコメントにあるように、“社員は家族”という信念が経営にも表れています。同社のロゴマークの三つの羽は 「全従業員」、 「お客様」、 「会社」 全ての人たちが、お互いがお互いを大切にするという約束の意味だそうです。
<株式会社オオクシのロゴマーク>
★ハイ・サービス日本300選 第8回受賞★
科学的・工学的アプローチ 部門:
顧客データの収集・分析により、サービスレベルと顧客リピート率の向上を実現
★ハイ・サービス受賞のポイント★
業界に先駆けてITを活用した顧客データの分析や顧客ニーズの把握を行い、これを人事評価・育成制度に活用することで従業員満足度の向上や個々の課題解決によるサービスレベルの向上を実現。高い顧客再来店率を実現している点が評価されました。
●徹底した顧客データ・売り上げデータの分析とサービスの向上
・POSレジの導入による売上データの管理・分析により、一度来店した顧客が再来店するかどうか、再来店は何日目かなどの情報を把握。
・担当スタッフ、顧客の年齢、利用したサービスメニューごとのサービスを「見える化」し、集客・再来店率の向上に取り組む。
・サービスの「見える化」により、それまで気付かなかったスタッフの個々の課題を発掘し、個別に強化すべき技術の習得や接客プログラムを実施し改善。
●従業員への支援と人材育成
・従業員定着率が低いといわれる理美容業界の産業体質に疑問を持ち、従業員の評価基準作りやサービスの向上に向けた取り組みを開始。
・サービスの「見える化」により、それまで気付かなかったスタッフの個々の課題を発掘し、個別に強化すべき技術の習得や接客プログラムを実施し改善。
・実際の店舗を模したトレーニングルームなどを備えた専用のトレーニングセンターを開設し、現場の再現によるスタッフの施術のCD化など効果的な教育を実施。
<トレーニングセンター> <技術研修ルーム>
受賞時の詳細情報はこちらをご覧ください。
【現在のハイ・サービスの進化~インタビューより~】
●より正確な情報分析、サービス向上と技術の均一化を各店舗に展開
ハイ・サービス日本300選受賞後や現在の取組みをお伺いしました。
「POSレジ導入で得られた分析データをもとに、数値の高い店舗の良い所を全店に広め、高いサービス、技術の均一化をさらに進めています。始めた当初よりもアンケートの戻り率がかなり上がったため、正確で詳細なお客さまの声を得られるようになりました。その結果、改善し成果にあらわれたことを店舗へ反映しています。問題が起きる前に予測し、予防ができるようになってきました。」
と、データ活用の正確性を高めて、更に高い品質のサービス提供をされています。
【今後の取り組みの展望 ~インタビューより~】
●お客様の待ち時間解消とスタッフが働きやすい環境へ
「お客様の待ち時間解消のため、ネットワークカメラ等で店内と同じ情報を得られる環境を作り、店舗で受ける電話を本部コールセンターに転送できるシステムを構築中です。それによって得られる効果は待ち時間解消だけではなく、スタッフが働きやすい(電話等で時間をとられ集中力の低下を防ぐ等)環境になると考えています。」
株式会社オオクシのデータ活用はPOSデータだけにとどまりません。今後の更なるハイ・サービスの展開がとても楽しみです。
企業情報や、サービスの詳細は株式会社オオクシのホームページをご覧ください。