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イベントレポート(~2014年度)

2014年2月25日

<2014.2.19日開催>業務革新セミナー「カリスマ接客の見える化」

株式会社三越伊勢丹ホールディングス

              経営戦略本部 経営企画部 細井 良太郎 氏

こんにちは。三越伊勢丹HDSの細井です。本日は接客の「見える化」についてお話しますが、当社もまだ研究途上でわからないことがたくさんありますので、皆さんにも有益なご意見をたくさんいただければ幸いです。「カリスマ」という大それた題ですが、やるべきことをしっかり行い、すばらしい接客をしている販売員の行動についてご紹介できればと思っております。キーワードは、「販売機会ロスと適正要員配置」です。

 
企業紹介・自己紹介
ご存知のとおり、2008年に三越と伊勢丹が統合し、2010年には事業会社も統合しました。その後、三越銀座店増床など各店のリモデルをオープンさせております。私自身は2008年当時、婦人服のバイヤーをやっておりまして、2010年に経営企画の担当になり、本日テーマの「見える化」など、生産性向上の取組みを中心に業務を進めております。
 
なぜ見える化に取り組んでいるのか?
以下のような目的があります。
グループビジョンの実現をするためには、新たな価値提供と高収益の両立が必須であり、そのため生産性向上プロジェクトを立ち上げ、当社ならではの生産性向上を追求してまいりました。その生産性向上の取組みを進める中で、お客様との接点において、
a.販売機会ロス(量<要員・時間>);どれだけお客様にお応えできているか)
b.販売の質(質);一人ひとりの販売スキルの状況
を把握しなければ取組みが進まないと考えたからです。組織としては過去に、プロジェクトの位置づけを戦略MAP化しており、社内のアクションを共有しています。
 
販売機会ロスと適正要員配置
今後人口減少により入店客数増が困難となる中、お客様の買上率を最大化することが重要となってきます。先ほど申しましたように、需要と供給を見える化し、分析を重ねることで、売上・利益の最大化を実現することに努めております。
過去に本部で「何人で運営すれば最大利益が得られるかを導きだす」ことに注力しましたが、非常に難しい作業でした。実態に即した要員体制を実現するためには、量と質のバランスを見極めることが重要と考えました。そのために、まずは優秀な販売員の接客行動パターンを分析し、可視化する作業を行いました。
※詳細は、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」にて放映
 
可視化によってもたらされたもの
データ化することで様々な改善が図れました。時間帯別の機会ロスを可視化することで、時間帯によって異なる改善ポイントが抽出されましたし、効率のよい接客行動は確実に存在することが分かりました。例えば、パフォーマンスが高い人は、接客時間が他者に比べて倍以上で接客ヒット率も高く、行動パターン(接客の導線)や立ち位置も違うことが分かりました。視野が広く、すぐにお客様にリーチできる体勢をとっているのです。
この可視化による改善事例としては、
・ 店頭販売時間のUP(ワークシフトを見直すなど)
・ 入店客数UP(展開什器の変更など)
・ 接客率、接客ヒット率UP(立ち位置の工夫、接客行動指導、メリハリのあるマネジメントなど)
などがあります。
 
分析を通じてわかったこと
適正要員配置は数式で算出できるものではなく、時間をかけて近づけていくものだということを理解しました。販売時間や接客率は、業務改善や仕組み化で引き上げることが可能となりますが、接客ヒット率やセット率については時間をかけて人材育成することで向上させるしかありません。質と量両面で向上を図ることが企業としての競争力につながります。質の部分では、OJTの中でセールスマネジャーがキーになってきます。また、ブロックリーダーという販売リーダーにも関与してもらい、彼らが部下を褒めつつ、自分自身の失敗も隠さず表出する姿勢をとることによって、チーム全体の士気向上を図っております。今後も、販売機会ロス改善事例を通じて質と量のバランスのとれた適正要員配置を実現していきたいと思います。
 
(以上)
 
 
【補足~公開情報より~】
●三越伊勢丹の『お客様の「感動」に向けた取り組み』
 →三越伊勢丹ホールディングス公式HP 2013年特集
 
●経済産業省2013年度クール・ジャパン戦略推進事業への取り組み
三越伊勢丹ホールディングスは、経済産業省の2013年度クール・ジャパン戦略推進事業に採択されたプロジェクトで、2月6~13日までの間、NY市ソーホー地区で期間限定店を開きました。ポップアップストア「ニッポニスタ(NIPPONISTA)」の名称で、ファッション、アート、フード、リビングの4カテゴリーについて約50の日本ブランドを紹介しました。日本の良いもの、良い人を世界に紹介し、グローバルマーケットへの進出をサポートすることが目的で、同市で開催中のファッションウィークに訪れた関係者などにアピールしました。詳細は、下記HPをご覧ください。
 →三越伊勢丹ホールディングス公式HP ニュースリリース  
 →経済産業省HP 2013(平成25)年度クール・ジャパン戦略推進事業概要