2010年7月22日
『中国人材戦略の鉄則~間違いだらけの人材マネジメント』
第3回研究会では、パソナ上海 (保聖那人才服務(上海)有限公司) 副董事長 陳 大立 氏から、「中国人材戦略の鉄則~間違いだらけの人材マネジメント」をテーマにお話頂きました。
中国市場の急速な拡大に対し、本社における中国戦略が不明確なまま動いている日本企業も多く見受けられます。特にヒト、モノ、カネの優先順位が曖昧であるため、能力の高い人材の確保に対する戦略が乏しく、現地責任者の苦労を本社が理解し、有効なサポートを行う仕組みが無いことが原因となっているようです。
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なぜこのような状況になっているかというと、日本人と中国人の「OS(思考回路)」が根本的に異なっているということを理解していないからではないかと思います。日本人と中国人は文化的にも近いように思われますが、お互いにわかったつもりで話を進めていても、実はわかっていない場合も多く、かえって不信や溝が深めていることがあります。
具体的にどのような問題が起こっているのでしょうか。財務・会計分野では、「本社の経理部門が現地の会計処理に不満を抱いている」ことがあげられます。しかしながら、現地から見ると、本社は現地の会計や税務についてほとんど理解されていないという思いがあります。このような状況は、日本語のできる中国人経理部長を雇っても解決しません。つまり、ここでも「言語」の問題でなく、日中間の「OS(思考回路)」の相違を解消できる人材の確保が必要なのです。
米山茂美 武蔵大学経済学部教授のコーディネートにより、中国における人事戦略はどうあるべきかという観点を中心に、陳さんへの質疑応答、活発な議論が交わされました。
第3回研究会のまとめとして、米山コーディネーターからは、
・現地の価値観(OS)との整合性をとることの重要性
・人材戦略と経営戦略・事業戦略との同期化の重要性
についての問題提起がされ、第3回研究会は閉幕しました。
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