2019年6月4日
日本サービス大賞フォーラム in 仙台 第2回受賞組織報告会 より
第2回日本サービス大賞 JETRO理事長賞 受賞
日本式カイゼン教育でグローバル展開を成功させた理美容サービス
「『人を育てられる人を育てる』ことに注力する」
キュービーネットホールディングス株式会社 代表取締役社長 北野 泰男 氏
我々が現在、国内外で広く展開する、ヘアカットのみに特化した専門店「QBハウス」は今や、年間利用者は2000万人を超えるに至っている。とは言え、海外進出当初の段階では様々な失敗や挫折も味わったが、2005年からはフランチャイズ方式から直営方式に変え、ちょっとした空きスペースでも出店できる「QBシェル型店舗」を開発するなどして多店舗化を図り、成果をあげてきている。
当社の人材育成は、「人に教えることで人間関係がよくなる。技術を教え合うとつながりが強くなる」ことが大切だと考え、「人を育てられる人を育てる」ことに力を入れている。
「能力向上5段階」を設定し、「正しい知識として記憶しているか(第1段階)」「本質を理解しているか(第2段階)」「理解した上で実践することができるのか(第3段階)」「できるからやるのか、できるけどやらないのか(第4段階)」「人に教える、みんなで取り組めるか(第5段階)」の順番で育成して、第5段階のレベルまで到達することを目指している。
また、当社独自のスタイリスト育成プログラム「ロジスカットスクール」では、基礎的なカットトレーニングに始まり、スタイルごとのヘアカット技術、接客技術などを6カ月間学び、その間はスタイリストとして給与支給され、研修だけに専念できる育成制度であり、若手理美容師の離職抑制や、年配理美容師の再就職支援などに貢献している。当初は、研修だけ受講して辞めてしまうのではないかという懸念が社内にあったが、定着率は91・9%と非常に高い。定年退職制度は廃止してしまった。
海外展開には様々な制限や制約があるが、制限、制約があるからこそ、深まることがある。『成功要因は千差万別、失敗要因は千篇一律』であり、自分の弱さを忘れず、失敗から学んでいくという姿勢を貫いていけば、進化していけるものと思っている。
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※数字や名称・肩書などは2019年2月講演当時のものです。