日本生産性本部のサービス産業生産性協議会(代表幹事:茂木 友三郎 日本生産性本部会長 キッコーマン(株)取締役名誉会長 取締役会議長)は、2017年7月26日(水)に幹事会を開催し、「SPRING10周年 サービス価値共創宣言」を決議、続いて開催した「サービス産業生産性協議会10周年の集い」で発表しました。
サービス産業生産性協議会(SPRING)10周年
サービス価値共創宣言
サービス産業はわが国GDP・全就業者数の7割を超える産業に拡大しており、今後さらに成長が見込まれる。人口減少社会が進行し、AI、IoT、ビッグデータ等による技術革新が進展する中、わが国が経済成長をはかるためには、サービスを軸としたイノベーションと一層の生産性向上が不可欠である。
われわれは、次なる10年を見すえ、さらなる運動の推進を決意し、以下を宣言する。
サービスとは、送り手が、受け手の心の内にある価値を顕在化させる創造的な提案を行い、受け手とともにその価値を高める活動である。また、受け手がそれに適正な対価を支払うことで、サービスは産業として育ち、成長する。サービスの本質は、このような送り手と受け手の「価値共創」にある。われわれは、送り手と受け手の共創によって、新たな価値を生み出し続け、質的に豊かな社会を実現する。
サービスにおける科学的・工学的アプローチによる研究は、ここ10年で大きく前進した。さらに、産学官を挙げて取り組むとともに、企業は、勘と経験に頼った経営から脱皮し、研究の成果を積極的に取り入れる必要がある。これらの取り組みを通じて、サービス産業の経営を可視化し、望ましい「仕組み」を生み出すことにより、イノベーションを推進する。
産業は、投資無くして成長することはない。サービス産業においても、サービスの革新につながる研究開発、革新を「仕組み」にするIT導入、「仕組み」から価値を生み出す人材育成等に積極的な投資が必要である。投資拡大は、民間による努力が肝要であるが、投資の呼び水として、政策的役割も求められる。
サービス産業の価値の源泉は、働く人にある。良質な雇用、働き方がイノベーションを生み出し、人を軸とする付加価値創造につながる。従業員、経営者を問わず、顧客から「学び続ける」人材こそが、企業に価値をもたらす。サービス産業の労使は、日常の活動を通じて顧客や優れた事例から学び続ける「仕組み」を取り入れ、持続的なイノベーションを実現する。
質の高い生活を提案・創造する力を持つサービス産業は、地方創生の担い手となる。また、わが国の「おもてなし」は海外から高い評価を受けており、科学的アプローチ等を取り入れ、さらに磨きをかけることによって、グローバル展開の実現が期待できる。サービス産業は、世界に通用するサービスの開発を実現すると同時に、各国・地域のニーズに適応しながらグローバル展開を推進する。
以 上