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リーダーの声

2018年6月12日

株式会社ポピンズ 代表取締役CEO 中村 紀子 氏

ポピンズナニーサービス

 

(数字や名称・肩書などは2017年5月講演当時のものです)

 

会社設立
1985年、雇用機会均等法が制定された年、これから女性も管理職になっていくだろうと考え、女性管理職たちが勉強できる場であり、さらに後輩を養成できるような協会をつくりたいと思い、日本女性エグゼクティブ協会(JAFE)を設立しました。
ここからなぜポピンズを始めたかというのは、協会をつくった1年目に300人の女性管理職を対象にアンケート調査を実施したところ、お子さまがいる方はわずか10パーセントでした。これからは女性が活躍していく時代と言われていながら、当時の政府は子育て支援について、何もメッセージを流していませんでした。そこで、これからの女性のためにできることを考えたときに、自分が経験した子育てのなかで、ベビーシッター探しに大変苦労したことを思い出しました。イギリスではプロのベビーシッターのことをナニーといいますが、ナニーを育成してサービスをしようとスタートしたのが、1987年です。

当初は1人でスタートし、現在、従業員数は3300名まで増えています。保育所施設は全国で185カ所。1年間で大体25カ所の保育所をつくっています。
主な事業は現在四つあります。ナニーサービスから始まり、保育所の事業、VIPという介護サービス、そしてこの三つのサービスを最高水準にするためのインターナショナルな国際教育機関を持っています。

  

ナニーサービス
こちらは現在、業界最大手です。当日オーダーに100パーセント対応しています。例えば、朝6時に目覚めたら子どもが熱を出しているとします。そのときに電話をいただいたら、1時間後か2時間後に必ずベビーシッター、ナニーを派遣いたします。このICT、マッチングシステムを開発していまして、これは大変ご好評をいただいています。24時間365日、サービスしております。
  

 
 

究極の介護サービス
私たちのミッションは、働く女性の支援です。ここにターゲットを絞っています。最初は育児だけでよいと思っていましたが、介護の分野も支援しなければいけないという場面に出会いました。もう何年も前ですが、私の父が脳梗塞で倒れました。父のところに行きたいと思いましたが、仕事の責任上、難しい状況にありました。そこで私の気持ちに代わるプロフェッショナルなケアスタッフを育成しました。そして、父が亡くなるまで5名のケアスタッフにサポート頂き、おかげで私も仕事が続けられたということがあります。
世の中の介護サービスでは、何をしてはいけないという、多くの制限が付いています。このポピンズのVIPケアは一切何も制限はございません。究極の介護サービスとして、高品質・オーダーメードで提供しています。
  

 
 

ナーサリースクール
保育所は、全国で185カ所ございます。日本の中には認可保育所、認証保育所、事業所内、ホテル内、病院内、それからインターナショナルまであります。ポピンズの特徴は全てをやっていることです。そして学童、児童館については、現在多くのオーダーをいただいています。
  


 

ハワイのキッズルーム
日本の企業で初めて、ハワイ州から保育所設立の認定証をいただきました。5年間かかりました。日本人や、海外から子供連れでハワイに行く場合、小さいお子さまがいると行動が制限されてしまいます。そこで私たちのキッズルームにお子さまを短時間お預けいただいて、お子さまはボディボードや水族館へお連れしています。昨年では1000人のお子さまたちが、キッズルームを利用されました。
  

 
 

ナニーサービス“日本初”の特徴
弊社はISO9001を取得しています。ITCを活用して生産性の向上を目指した顧客満足度は90%以上となっています。スーパーナニーを育成するために、20年以上前からイギリスで海外研修を行っています。またハーバード大学とスタンフォード大学とも連携をしまして、社員を毎年送っています。ハーバード大学ではゼロ歳児の脳科学の研究がされています。どのような音楽、環境設定、言葉掛けをゼロ歳児からするべきかという世界的な知見を蓄えております。
  

 
 

お客様のニーズの捉え方
『利便性』
一度つくったサービスは、刻々と社会のニーズに合わせて変わるべきだと考えています。最初は24時間365日などというサービスはできませんでした。今は多様なニーズに対応できる体制を整え、いつでもどこからでも連絡いただければ、ナニーがご自宅や保育園のお迎えにすぐに行けます。そういうシステムが可能になりました。

『緊急性』
利便性の次は、緊急性に応えることです。お子さまが病気にかかったときに、夫が休むか妻が休むか、どちらかにしわ寄せが来るよりも、急なときには、看護師の資格を持っているナニーにお願いできれば助かります。お子さまにとっても、病児保育所まで行くよりも慣れ親しんだ自宅に専門の人が来てくれる方が、汎用性が高いと考えています。

『安心感』
ご利用者からは、90パーセントを超える満足度を頂いています。ベビーシッター、ナニーに依頼するときに、間に必ずコーディネーターが入りますので、ここを変えてほしいという事を全て伝えることができます。また子供たちのプログラムも工夫をしており、例えば、JOCと連携して、オリンピック候補選手から直接、マンツーマンで体のバランスの取り方や基礎体力の作り方を教わるプログラムも導入しています。
  


 

人材の雇用・育成・評価制度
ナニーになるには厳しい試験を受けていただきますが、毎月大体60人前後の新しいナニーが誕生しています。ナニー育成研修では、新生児ロボを利用しています。ロボにはセンサーが入っており、泣き方、気温、洋服が暑いか寒いか、チップの中に全てデータとして蓄積されます。赤ちゃんの抱き方であったり、おむつの替え方であったり、ミルクの飲ませ方などの上達度も記録されます。ポピンズオリジナルの教育システムです。
また研修センターで食事を作ったり、離乳食を作ったり、細かいことを実践で学びます。ミルクも何十種類あり、溶かせ方も何十種類かありますが、その家庭ごとに全部違います。それに対して驚かないように、ありとあらゆることを教えています。
  


 

生産性向上への取り組み
2001年、e-保育園システムとして、e-連絡帳、園内カメラ、緊急ベビーシッター対応、この三つを開発しました。保育園では、お母さまが連絡帳を毎朝書いて、その日の子どもの状況ですと持って来られますが、毎日大変です。そこで連絡帳を止めてパソコン上で入力して園に送るようなシステムを開発しました。それから園内カメラは、自分の子どもがどういうふうに保育されているかを見たいという声がありました。そこで、園内に動画のカメラを付けたところ、他の保育園でも導入され全国的に広がりました。それから緊急ベビーシッター対応です。例えば、6時で帰るはずが緊急会議で帰れない。誰かお迎えに行ってもらいたいと思ったときに連絡していただければ、ポピンズからお迎えに行けるよう対応しています。

  

今後の取り組み
世界の女性の動きは、これからますます大きくなると思います。世界で競争できるのは、介護だけではなく、保育でも十分競争できると考えています。「人材教育」、「保育所・エデュケア」、「ナニーサービス」、この三つを世界に展開していきます。
人財教育では、既にフィリピンから数名採用しており、来年までに100名の受け入れを予定しています。フィリピン人は現在、家事支援だけという規制がありますが、必ず保育とベビーシッターと介護に必要不可欠な状況が来ると考えています。来たときにどうしようではなくて、今から私たちのベビーシッターの知識、介護のケアスタッフの知識を教育していきたいと思っています。保育所については、アブダビやドバイに展開することが決まりました。ナニーサービスでは、トップレベルの教育を受けたナニーは、アジアで大きな需要と可能性があります。
  

 
 
なぜ私が、ゼロから初めて今日まで来られたかというと、人生が今日終わってもいいように行動しているからだと思います。
こんなことがあったらみんなが喜ぶのに、こんなことができたら働く女性はもっと楽に仕事が続けられるのに、と考えたら実行する。今日できるなと思ったら、疲れたとか面倒だとか思わず、1つ1つ今日やっていく。気が付くと、そうやって小さい夢が現実になってきたのではないかと思います。
これを支えてくれた多くのお客さまと社員に、本当に心から感謝をしています。

 

(「SPRINGシンポジウム 2017 in 大阪」より)

 

※株式会社ポピンズの「ポピンズナニーサービスは、第1回日本サ―ビス大賞厚生労働大臣賞を受賞されました。