受賞の観点
徹底した学生サポートに加え、産官学連携のパイオニアREC(レック)を活用し、社会連携事業で実績を上げる
提供サービス
同大学は、教育と研究、エクステンション(普及)を大学の重要な使命として位置づけ、このエクステンション活動を中心的に担う拠点として、1991年に龍谷エクステンションセンター(通称「REC」レック)を開設した。RECでは、設立当初からコミュニティー・アイデンティティー(地域をどう認識するか) を重要視し、大学の持つ資源を地域に還元する活動にとどまらず、地域の人材や資源を大学に活かして、多くの企業との共同開発研究に取り組み、成果を上げている。また、学生の個性を活かし、社会人としての実践力を向上させるための様々なキャリアサポートシステムとして、インターンシップをはじめとする一貫したキャリア教育や学生ベンチャー育成プログラム等を展開している。
ハイ・サービスのポイント
同校の強みは、RECやインキュベーション施設としてのレンタルラボによって産官学連携に先駆的に取り組み、多くの企業との共同研究で成果を上げて地域社会から信頼を得ている点にある。また、キャリアカウンセラーをはじめとする学生サポート体制を充実させることにより、実践力のある人材の育成にも成功している。
- 当初は実績の少なかった産官学連携やベンチャー支援活用などの取り組みに対して、学内外の理解を得るために注力、産官学連携による地域社会貢献という研究者の意気込みが後押しとなり、実現に至った。
- 1991年に同校瀬田キャンパス(滋賀)にRECを開設。瀬田キャンパスの開設にあたっては滋賀県と大津市から校地や創設費の提供による誘致があり、2004年に滋賀県が推進する「県版特区」の認定を受けるなど、現在もさまざまな支援を受けている。
- 現在では、REC滋賀(瀬田キャンパス)、REC京都(深草キャンパス)、REC東大阪(クリエイション・コア東大阪内)の3拠点体制でエクステンション活動に取り組んでいる。
- RECでは、産学連携プロジェクトを推進するためにコーディネーターやフェローという、企業と研究室との橋渡しや調整を行うスペシャリストを配置している。
- レンタルラボはインキュベーション施設として機能している。書類審査と面談により将来有望なベンチャー企業を入居させ、同学教員による技術指導・研究や経営アドバイスを行っている。
- ビジネスプランコンテスト「プレゼン龍」は、他大学に先駆け、2001年度より学生ベンチャーの育成・発掘による地域産業の活性化と学生の実践力養成を目的に実施している。本コンテストの企画運営はすべて学生が行い、社会的課題の解決に向けた提案力や実践力の向上につなげている。
- キャリア支援については、一貫したキャリア「教育」として全学的に取り組んでいる。中でも、職業観を醸成する体験型から専門性の高い実習まで多様なインターンシップに年間約1,000人の学生が取り組んでいる。
- 教育・研究活動の海外拠点として、Ryukoku University Berkeley Centerをアメリカに開設し、2006年からはBIE Program(同大の留学プログラム)を開始した。このプログラムは、語学や異文化教育のみならず、現地でのインターンシップ(ボランティア活動)を通して多民族共生社会について、知識と体験の両面から学び、広い視野と柔軟な発想力を養成している。
- 就職支援に関しては、キャリア開発部・職員1人当たり年間100社程度の企業訪問を行い、企業風土と担当者をよく理解することを重視している。これにより、州北・進路相談を受けた際にキャリアカウンセラーによるきめ細かなアドバイスと適切なマッチングを可能にしている。
- インキュベーション施設としてのレンタルラボから、これまでに延べ60社のベンチャー企業が巣立っており、現在は15社が入居している。
- 生涯学習講座として「RECコミュニティカレッジ」を開講しており、年間約400講座、延べ1万人の市民が受講しており、地域社会に深く根づき、高い評価を得ている。
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