受賞の観点
IT技術の活用やトヨタ生産方式にならった改善活動などにより、業務効率とサービスレベルを向上
URL |
http://www.wex.co.jp/ |
業種 |
飲食・生活関連サービス |
所在地 |
愛知 |
事業概要 |
ユニフォームレンタル、ホテル用リネンなどリネンサプライ全般 |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoB型 |
環境特性 |
広域サービス型 |
提供サービス
大手工業メーカー、食品工場をはじめ、外資系ラグジュアリーホテルや一流レストランなどあらゆる業種に対し、全国規模でのリネンサプライサービスを提供している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、業界に先駆けたRFID(非接触型個体識別)チップによるユニフォームごとの単品管理や、インターネットを通じた管理情報の活用、トヨタ生産方式に学んだ改善活動、ISO(国際標準化機構)やRAL(ドイツ品質保証規格)などの国際品質保証規格の取得など、業務の効率化やサービス品質の向上に多面的に取り組むことで、他社サービスの差異化と顧客満足度の向上に成功している点にある。
- 1992年からトヨタ自動車の生産方式から生まれた「NPS(New Production System)研究会」に参加。ここで得られたノウハウを活かした業務の効率化などにも併せて取り組み、サービスレベルの向上を目指した。
- ユニフォームのレンタルは、かつては貸し出す事業所ごとにMサイズを10枚というようにサイズ貸しが主流であったが、徐々に従業員一人ひとりへの個人貸しの形態に変わってきていた。ユニフォームに従業員の個人名が入るようになると管理方法が非常に複雑になることから、ユニフォームの単品管理を可能にするシステムの開発に取り組んだ。
- 業界に先駆けてRFIDチップを利用したユニフォームの単品管理システムの導入に取り組み、顧客・個人・商品別、また所在や状態の管理、納品、回収などの履歴の把握を可能とした。
- 2002年のRFID管理システム導入時には、洗浄や乾燥機の熱などへの耐性を厳しく検査・確認し、RFIDチップを選択。その当時、約60万着あったユニフォームほぼ全品に、約3年をかけてRFIDチップを取り付けた。
- 現在ではユニフォーム約80万着にRFIDが装着されている。
- 2006年からは、ユニフォームレンタルの管理情報提供システム「WEX LIVE」の開発に着手。RFID管理システムから得られたユニフォームの管理情報を活用し、より顧客に適した契約内容への改善提案などが可能にするとともに、インターネットを経由して顧客自身も情報を確認できるようになった。
- RFIDの機能を顧客の人事や、ユニフォームの管理情報と連携させて入退室管理に活用するなど、RFID装着ユニフォームによる新たなサービスの提供に取り組んでいる。
- 「NPS研究会」への参加で得られたノウハウを、社内の改善活動「WPS(WEX Production System:ウエックス生産方式)」の展開に活用。社内にWPS推進室を設け、生産だけでなく全部門における品質と生産性を高めることで、経営効率の向上を目指す改善活動を行っている。
- WPS活動による改善例には、ユニフォームのクリーニング工場の時間短縮などが挙げられる。従来は大きな洗濯機を使用していたが、小さな洗濯機を複数個置くことで、洗濯機の待機時間を削減し、顧客ごとにユニフォームの洗濯を行うことで洗濯後の仕分け作業をなくした。
- ユニフォームの洗濯ラインでの所要時間は、従来の750分から180分に短縮。仕分けが不要になったことから生産性が1.5倍となり、洗濯に必要なスペースは半分以下になった。
- 高品質で全社で統一された商品管理や効率的な納品・回収作業を重視し、ISO9001やISO14001を取得。
- 2005年には欧州における「最高の品質」と「品質の信頼性」の象徴であるドイツの品質保証規格「RAL」の認証を国内のリネンサプライ業界で初めて取得。
- 同社の顧客社数は約5,000件以上となっている(事業所などのサービス提供先は約2万件)。
- NPS研究会への参加やWPS活動によって、以前はメーカーなど外部に頼っていた工場レイアウトや品質管理などを、社内で考え、改善ができるようになった。またISO9000シリーズの認証は社内の力だけで取得することができた。
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