受賞の観点
生花業界の流通システム改革を実現し、需要拡大と業務効率化を両立
提供サービス
バックシステムの導入による作業の集約化、作業効率の向上を果たすなど、サプライチェーンの構築により従来は重要視されていなかった一般家庭の需要に向けた高品質、低価格のサービスを提供している。また海外からの直輸入によるコスト削減など流通改革を進め、北陸を中心に関東圏にもフラワーショップ「花まつ」を展開している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、他業種の流通システムなどから得たノウハウを生かし、国内の花業界の流通改革に取り組み、次々と実績を上げている点にある。また、海外からの直輸入など、一貫流通を行うことでコスト削減と品質向上にも成果を上げている。
- コンビニエンスストアや、小売り業へ納入する弁当・総菜業者などのパフォーマンスを測定するなど、異業種の企業の生産性の高いシステムを手本として、ノウハウを取り込むための研究を行った。
- 従来の生花の需要は特別なシーンに限られており、エンドユーザーである消費者の日常利用向けのサービス提供は規模も小さく、軽視されがちだった。同社は、この分野に注目し、カジュアルフラワー(日常生活の花)を1年を通して楽しめるよう、需要拡大を進めることを指向した。
- 花の低価格化とともに、品質向上を掲げた。例えば、トレーサビリティーによる自社完結型の調達を行うことで、花の寿命が延び、結果的に顧客の1日当たりのコスト軽減にもつながっていく。
- 自社責任で販売可能な店舗網の拡大にともない、社内で社員教育システムを作り上げた。また中長期的な視点で人材力を上げるために、大学新卒者の定期採用も行っている。
- 財務的には借り入れを行わずに、利益の範囲内で次の投資を行っていくスタイルをとっている。これは事業の継続性を重要視しており、着実に無理のない経営を進めていきたいと考えているためである。
- 生花の流通システムは、基本的にバーコードが添付されないために単品管理が不可能なシステムであったが、それを個別に管理するためのシステム投資も進めている。
- 海外からの花の調達については、赤道近くで標高が高いコーヒー豆生産の適地が花の生産にも適しており、アジアではベトナムに事務所を設立した。その他、グローバルな花の流通システムを構築するために、ケニア、エチオピアなどからも花の仕入れをスタートさせるための計画を組んでいる。
- 英語での交渉力に長けた人材のスカウトを行うなど、言語の問題を考慮した人材採用も進めている。
- 流通システムの改善などを通して、業界内での同社への注目度は高まっている。
- 新たな流通システムを構築していくためにはコストもかかり課題も多いが、逆にそれが業界内での同社の優位性や大きな強みにつながっており、「花の需要創造=幸せの創造」という理念型経営を指向しているため、モチベーションの高い人材も数多く集まっている。
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