受賞の観点
品質の高い介護サービスと働きがいのある企業風土づくりの両輪で事業を拡大
提供サービス
都市部を中心に、「アリア」、「グラニー&グランダ」、「くらら」、「まどか」の4シリーズ、140の有料老人ホームを展開している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、顧客のQOL(生活の質)を高めることを目的とした生活プランの構築や、価格帯やサービスを選択できる4シリーズの老人ホームの展開などによって、顧客満足度の高いサービスの提供に努めている点にある。同時に、高品質な介護サービスの提供には従業員のモチベーションが重要だと考え、人事制度の改定や業務改革によって、働きがいのある企業風土づくりに取り組んでいる。
- 同社では「本人や家族がこころから納得のいく介護サービスを選べるようにしたい」、「歳をとっても最後まで自分らしく尊厳を持って生きていけるようにしたい」という考えの下、顧客の視点でのサービス提供を目指した。また市場として新しい高齢者介護事業分野では、労働環境や就業条件が未整備で離職者が多かったが、サービスレベルの向上には介護スタッフが働きやすい環境づくりや従業員満足度の向上が不可欠だと考えた。
- 同社では、介護事業を純然たるサービス業ととらえ、顧客である入居者や家族に我慢や辛抱を強いることのない介護サービスの提供を目標とした。
- 個々の顧客に対して最適なサービスを行いたいと考え、顧客が自分の健康状態や立地、価格、サービスに合わせて介護を選択できるよう、4シリーズでの有料老人ホームの展開を行った。
- ホームの多くを大都市圏の住宅地内に立地させ、顧客の生活環境の保持を可能とした。
- 顧客には、ホームにおけるQOLの向上のため、必要な介護のプランのみならずニーズに合った生活プランを構築。
- 各ホームからのクレームや苦情は毎日、エリア責任者やトップが目を通し、「各施設が現場として対応すべきもの」と、「本社が仕組みとして対応すべきもの」に分けて対処している。また年に1度、ホームの運営懇談会を行い、アンケート調査を実施。
- 2007年10月より、介護スタッフの働きがい向上や定着率向上のため、大幅な人事制度の改定を行った。同時に全社における業務改革や標準化、各ホームにおける丁寧なマネジメントなどに取り組んだ。
- 業務改革では「業務再設計」を行うことで、介護スタッフが今まで以上に顧客に向き合う時間をつくることができるようにした。
- 企業風土の活性化とボトムアップ型の組織づくりに向け、活性化推進部を設置。従業員全体の連携を深めるとともに、好事例や失敗事例の共有やクレームの未然防止策の横展開にも活用。
- ホームでは、スタッフの丁寧な受け入れなど、細やかなマネジメントを実施。
- 2009年には愛媛女子短期大学と提携し、2年間の介護コースを開設。現場直結のカリキュラムを提供し、学生が自らの進む業界を十分に理解した上での人材確保につなげている。
- 2005年には「ベネッセスタイルケア宣言」を行い、その内容をカードにして従業員に配布し、浸透を図っている。
- 有料老人ホーム最大手企業に成長し、現在の展開ホーム数は140(2009年7月現在)。
- 人事制度改革や業務改革により、離職率は導入前の36%から2009年には20%に改善された。
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