受賞の観点
マルチブランド戦略と効果的な出店戦略によって独自の経営手法を確立
提供サービス
118の外食店ブランドを有し、立地特性や顧客特性に合わせて、カジュアルなフードコートからディナータイプのレストランまで、385の外食レストランを運営している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、多様化による変化が激しい顧客ニーズに対応できるマルチブランド戦略と、集客力の高い場所へ優先的に展開を行うマルチロケーション戦略によって、独自のレストラン経営を確立している点にある。また数多くのブランドと蓄積したノウハウを、商業施設などへの出店提案や、不採算店のスピーディーな業態転換に活用し、変化に対する対応力も強化している。
- 同社が三菱商事の社内ベンチャーとして設立された1997年頃は、外食産業の市場規模がピークから縮小に転じ、顧客ニーズの多様化やあらゆるジャンルの飲食店が出尽くしていたことから、既存の大手チェーンなどを始めとする業界全体が次の事業展開に向けて方針を模索していた。そこで同社では、多様なブランド展開を行うことで自社の差異化と外食産業におけるノウハウの蓄積を目標とし、また事業開始から5年で、売上高100億円と株式公開を目標とした。
- 飽和している外食産業における成功要因には、従来なかった業態や立地選択が必要であると考え、多様なブランド展開と集客力の高い立地を選んだ出店戦略を実施。
- 当初は駅周辺の飲食街や地下の飲食街など、幅広いニーズの人々が集まる「集積立地」に出店。
- 2001年頃からは全国各地の商業施設内など「集客立地」への出店展開に注力。
- 商業施設への出店展開が進むにつれ、多様な業態・ブランド及び新たな業態開発力を有する点が評価され、数店舗を一括して受託するようになった。
- 他社の施策が売上拡大やシェア向上にどれぐらい寄与しているかを分析・活用している。
- 様々な業態の顧客情報の共有や意見交換によって新しいサービスやメニュー開発を行っている。
- 効率化のため、共通して使用できる食材はグループ全体のコスト競争力を活用してある程度のロットで購入。個々に地域で仕入れる場合には、本部から最適な購買先情報を提供し、コストを低減。
- 顧客数、従業員の労働時間を全て本部で把握し、全店の状況を分析することで、客数の予測精度を向上させ、従業員のシフトの最適化を図っている。
- 業態が異なるエリアごとの店舗責任者が多様な価値観を互いに学び、助け合う姿勢や雰囲気をつくることで、幅広い業務知識の習得や視野を広く持つことにつなげている。
- 出店後に売り上げが伸びなかった場合も、地域や顧客ニーズに合わせてスピーディーに業態転換を行うことで、不振店の売上向上を実現している。
- 海外への積極的な展開に向け、2010年3月には持ち株会社に移行。 事業会社が機動的に意思決定し行動できる体制づくりに取り組む。
- 現在の展開ブランド数は118ブランド、展開店舗数は385店舗に成長した。(2010年2月末時点)
- 2004年には売上高が100億円を超え、2005年には東京証券取引所マザーズへの上場を果たした。
一覧に戻る