受賞の観点
全国共通化と失効ポイントの活用により、使いやすく社会貢献も可能なカードサービスを展開
提供サービス
誰でも使えるサイモンズポイントカードとクレジット機能付きのサイモンズカードの2種類を展開している。全国的に共通化することで、どこでもポイントを貯められ、利用できるような仕組みを運営。利用対象を増やすために、企業に限らずNPOや地方公共団体にまで及ぶあらゆる団体の加盟を可能にしている。また、寄付などにより従来は企業の利益となっていた失効ポイントを社会貢献に役立てている。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、従来は個々の企業の顧客囲い込みツールであったポイントカードを、全国共通のポイントカードとして構築することにより、加盟店側のメリットが増大することと、失効ポイントを社会貢献等に活用できる寄付の仕組みを導入したことにより、顧客側の利便性向上に貢献している点にある。現在の加盟店数は1,400カ所以上、会員数は約50万人で、過去3年間の失効ポイントからの還元は 1,600万円、今年度は約1,300万円を見込んでいる。
- 同社では、企業や商店街のほかにNPOや大学などの共通ポイントカードの発行により、多彩な分野のボランタリー団体との連携を実現している。顧客・ポイント・顧客データベースを共有することで、顧客利便性の向上とともに低コストで運用可能なポイントカードシス テムを構築している。
- 当初はブランド力不足のためカード発行会員を開拓するのは難しかったが、最近は同社の取組み及び理念が市場の理解を得つつあり、国、地方自治体をはじめ、大企業、中小企業、個人商店等様々な団体の参加が始まっている。
- ポイント事業が抱える引当金問題に対しても、2011年7月に予定されている国際会計基準(IFRS)適合化への流れに沿った対応をしている。本来は消費者保護の観点からも企業がポイントを発行する場合は、引当金という将来のポイント利用に充当する費用を計上しなければならないが、現状では大半の企業が行っていない。同社の場合、加盟店は発行ポイントの相当額を同社に預託し、会員がポイント利用による支払いを行った際には、同社からポイント支払い分相当額の支払いを加盟店に行っている。基本的に100%の引当金処理対応をしているため、加盟店が倒産した場合でも、会員は他の加盟店でポイントが利用できるため、不利益を被ることがない仕組みになっている。
- 他を参考にしたビジネスモデルではなく、独自の仕組みである。各メディアからの取材には積極的に対応するなど、新聞、雑誌、テレビ等を利用することで情報 発信を行っている。
- 自治体では初の取り組みとして、2009年11月からは鷹栖町ふるさとサポーター登録事業を開始。これは北海道鷹栖町のサポーターとなる登録者に、「ふるさとたかす」のまちづくり応援を促す制度である。登録者には全国の加盟店で利用可能な同社の「たかすサポーターズカード」を発行。失効ポイントは自動的に鷹栖町に寄付され「子どもたちの図書購入費」として活用される。
- 過去3年間で総額1,600万円をNPO支援・地域活性化等に寄付している。2009年度には約1,300万円の寄付を行う予定である。主な寄付先として日本盲導犬協会や骨髄移植推進財団などがある。
- 加盟店側のメリットとして、
- 顧客が加盟各店を環流することで新規顧客の獲得が容易になる
- システム共通化により個別のポイント管理の必要がない
- ポイント発行にともなう引当金の管理が不要となる ――などがある。
- 顧客側のメリットとして
- さまざまな加盟店でのポイントが1枚のカードに集約され、ポイントが貯まるスピードが早い
- 全国の加盟店で利用可能なので利便性が高い?複数枚のカードを持ち歩く必要がない
- 買い物以外の用途(慈善活動、地域貢献活動など)にもポイントを利用可能なので、付加価値が生まれる ――などがある。
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