受賞の観点
「多国籍キャンパス」での人材育成に加え、学生と企業とのマッチングシステムを構築
提供サービス
入学時には日本語能力を問わずに海外から広く優秀な学生を集めており、日英の2カ国語による教育カリキュラムを展開するなど、国際的な感覚を身に付けられるような環境を提供している。また、日本企業に就職を希望する国際学生と企業のマッチングを積極的に行い、国内で就職できる仕組みを構築した
ハイ・サービスのポイント
同学の強みは、世界中から優秀な学生を集めてくる仕組みづくりと、国際学生と日本企業のマッチングに注力して実績を上げ、評価を得ている点にある。また、最大の特徴である英語と日本語による2言語教育システムの展開など、国際的な人材の育成面でも特徴的な施策を行っている。
- 韓国や中国の主要な高校とコネクションをつくるなどして、現在では有名進学校からの指定校推薦制度を採用している。
- 日英の2カ国語を教育言語としている。当初は英語で授業を行い、徐々に日本語の学習に取り組む。日本語と英語で同じカリキュラムが展開されているため、国際学生も不安なく受講できる。
- 英語AP科目というクラスでは、国内学生と国際学生が一緒になって学び、1年目から交流の場として機能している。
- 1年目に入るAPハウスという寮では、各国籍・男女が同じ場所で学び、助け合い、教え合うことで多様性のある生活を体験できる。また、フロアなどに一人ずつRAという2年目の学生を配置し、相談相手になることで双方の学びにもつなげている。
- 奨学金には同学のものと学生の母国のもの、それに各支援企業からのものがある。
- 何か問題があれば国際学生は自分で物事を主張し問い合わせてくるため、学生のニーズを拾い上げる仕組みは特にないが、国際学生の受け入れに当って、春秋の年2回に卒業・入学式を行っている。半年のズレが生じる学生に対してのカリキュラムを用意しなければならないためにカリキュラム管理は煩雑になる。そのため教員は8:45の始業から18:00過ぎまで授業が隙間なく入っている。さらに、教員は休暇中も学生を社会勉強やフィールドラーニングに連れて行くなどの活動も自主的に行っている。
- 国際学生の全員が日本での就職を希望するわけではないが、海外就職でも、日本系企業の現地法人で対日窓口の即戦力として活躍するケースなども多く見られる。
- 一般的に大学側が学生の就職にかかわるのは日本くらいであり、欧米では自主性に任せていることが多い。同学のケースではアドバイザリーコミッティー企業からの各種アドバイスを除いて、その他の活動は基本的に当事者に任せている。そうすることで、企業間と大学側のしがらみの問題などのクリアにもなっている。
- 日本企業の人事施策や、キャリアデベロップ面については刷り合わせが必要である。これは多くの説明会を開き、企業の採用担当者の話を聞き、日本企業に触れる機会を増やすことによってマッチングをしている。学生が企業に赴くことは難しいため、大学へ企業の担当者を招き、年間に400回程度の説明会を開いている。あるいは企業トップの講演会によって、日本企業のマネジメントに触れるようにしている。
- その多様性が認められ、ダイバーシティー要素をもつ「小さな国連」として企業や社会から高い評価を受けている。就職率は96%と高く、国際学生の約半数が日本で就職をしている。残りの半数は国内外で進学し、母国に戻ったりASEAN経済圏での就職をする学生もいる。
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