受賞の観点
「現場第一主義」と「権限委譲」が生み出す、地域に最適化された店舗運営
URL |
http://www.ohsho.co.jp/ |
業種 |
飲食・生活関連サービス |
所在地 |
京都 |
事業概要 |
中華料理レストランチェーン |
市場特性 |
イノベータ型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
地域サービス型 |
提供サービス
全国に中華料理のレストランチェーンを展開。店舗毎に店長の個性を活かしたサービスや、客層や地域に合ったメニューの創出を図ることで、売上増と多店舗展開を実現している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、徹底した「現場第一主義」により、各店長に大きく権限を委譲し、本部はサポートに徹することで、現場の能力を最大限に活かす仕組みを作り上げ、個店の魅力を活かしたレストランチェーンを作り上げている点にある。充実した教育・研修制度による人材育成や、業界でも高い給与水準、インセンティブによる従業員のモチベーションづくりも売り上げを支える大きなポイントである。
- 1967年創業当時は、4店舗程しかなかった同社の採用に応募してくるのは、すぐに辞めてしまったり、真面目に働かない料理人がほとんどだった。そこで採算は考えず家賃だけを収めてもらい、各店に自由に営業をさせ収益は従業員で分けることとしたところ、それぞれが売り上げ向上に努力するようになった。このことから、個店主義がインセンティブでありモチベーションの源泉になることを知り、その後の経営戦略と発展に結びついた。
- 同社では「現場第一主義」を徹底。各店長に権限を委譲し、本部はその評価とサポートに徹するという独自の体制を作っている。店長は「オリジナルメニュー開発」「イベント企画とその販促」「パート・アルバイトの採用から時給の決定」「営業時間の設定」など現場に関わるほとんどの決定権を委譲されており、本部は良い店を発見し褒めて評価をすることでその店のモチベーションを上げることと、悪い店をできる限り早く発見して、早期の業績改善への手当を行うことの2点に徹している。また前日の売上データを日々精査し、落ち込みがあれば、エリアマネージャーと店長を中心に即座に打開策を検討する体制を構築している。
- 40年以上に亘って独自の報奨金制度を設定。現在の制度は売上規模に応じて店舗をABCDEの5グループに分類し、売上高、営業利益の伸び率や労働生産性で総合点の高い店から最高50万円の報奨金が支払われる。報奨金総額は月に1,200万円。
- 店長は与えられた権限とそれぞれの店舗の立地や客層を踏まえて、最適な店舗づくりに注力。
- 現場が顧客に何で訴求するかを自分で考えられる「人づくり」「人間力の向上」に向けた独自の研修を実施。
- 社員のフランチャイズへの独立時にはロイヤルティーは一切徴収せず、独立当初の融資制度や事前の物件チェックなども行うことで、早期の独立店の成功をサポート。現在までに約120人が独立している。
- 2009年3月期の売上高は前年度比10.5%増の548億4,800万円を達成。
- 店舗数は直営店数356店、FC店数189店で、前年比14店増の計545店に(2009年12月現在)。
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