受賞の観点
耕作放棄地を活用し、レジャーとして楽しめる「体験農園サービス」を創出
URL |
http://myfarm.co.jp/ |
業種 |
その他サービス |
所在地 |
京都 |
事業概要 |
耕作放棄地のリメイク及び事業化、農家支援活動、レンタルファームのコンサルティング、ホームページ・ネットショップの運営ほか |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
コーディネート型 |
取引特性 |
BtoBtoC型 |
環境特性 |
地域サービス型 |
提供サービス
耕作放棄地を活用し、有資格の管理者による栽培管理やサポート、農機具などの完備、土壌調査などにより、初心者にも手軽に無農薬野菜が栽培できるサービスを提供している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、耕作放棄されている遊休地を活かしたい農地オーナーのシーズと野菜づくりに興味を持つ利用者のニーズのマッチングを図り、従来の体験農園とは一線を画した親しみやすく工夫された体験農園サービスを創出した点にある。この事業展開における大きな目標は、耕作放棄地での“自産自消”の拡大による日本の食料自給率向上への貢献である。
- 同社では、後継者不足などで荒れている農地が非常に多いこと、また近年の食の安全の問題や食料自給率の低さなどを危惧し、耕作放棄地を利用した体験農園事業展開することで、「消費者が自分で農作物を作って自分で食べる“自産自消”によって食料自給率を上げたい」と考えた。
- 目標は5年で1,000カ所の体験農園の開設で、1,000カ所の体験農園があれば5~6万人の利用者があり、この利用者が自産自消した場合、日本の食料自給率が1%上がるという試算による。
- 当初は耕作放棄地を持っている農家との“つて”を持たなかったため、農地オーナー探しや農地の確保に苦心したが、勉強を重ね、農政局や市役所、地域のJAの集まりに足繁く通って信頼関係を築くことで力を貸してもらえるようになり、徐々に口コミなどを通じて理解が広まるとともに遊休地提供の申し込みが増加した。
- 5年で1,000カ所の体験農園展開実現のため、フランチャイズ方式を採用。オーナー探しや開園、行政との法律のクリア、地域の農業書団体や近隣とのトラブル解決などに関する蓄積したノウハウを提供している。
- まずは30代のファミリー層へのレジャー農園というコンセプトで、初心者でも手軽に無農薬野菜が作れるように「知識や資格を持った管理人による栽培管理やサポートサービス」、「農機具や水道の完備」、「収穫祭や農業スキル向上を図る青空教室などのイベントの実施」、「専用ブログによる菜園管理情報の提供」、「配送サービス(有料)」などの様々なサービスを用意し、「場所貸し」だけに終わりがちな一般の体験農園とは一線を画している。また立命館大学と産学連携で行っている土壌調査をクリアし、無農薬有機栽培が可能な安全な土地に限った農園開設を行っている。
- 特定の講習日をつくらない、管理人は質問されるまで口を出さない、植えるものを制限しない、利用時間も厳しく定めないなど、ターゲットである30代の心理を踏まえ、レジャーとして自由に楽しむために干渉しすぎないサービスを徹底している。
- また、?品質が良ければ同社が買い取り、飲食店や加工場に販売する?大手スーパーや直売所で自ら値付けして販売する――といった作った野菜を他人から評価してもらう仕組みを用意し、 2年目以降の継続利用の工夫を行っている。
- 「マイファーム」の運営以外にも、農作業、ガーデニングに興味のある利用者のための家庭でできるミニチュア菜園を提案する「ベランダ菜園倶楽部」、自家菜園に取り組む利用者のための家庭菜園通信教育「畑の達人」、プロ御用達の農業関連商品を紹介する厳選菜園道具通販サイト「畑師」、遊休農地紹介サイト「タガヤシ」、農園を舞台に出会いの場を提供する「畑DE婚活」、子供向けの米づくり体験教室、畑付き戸建賃貸住宅、また飲食店での自家菜園や一般企業向けのCSR活動・カーボンオフセット事業などへの利用を提案する「体験農園パッケージ」など多面的に農業に触れてもらう仕組みづくりで、農業に親しむ人々の増加を図っている。
- 現在までの利用者数は延べ600人で、体験農園数は大阪や京都を中心に30となった。
一覧に戻る