受賞の観点
顧客データの収集・分析により、サービスレベルと顧客リピート率の向上を実現
URL |
http://www.ohkushi.co.jp/ |
業種 |
飲食・生活関連サービス |
所在地 |
千葉県 |
事業概要 |
「ヘアーサロンオオクシ」「ヘアカラーファクトリー」「カットオンリークラブ」「カット:ビースタイル」「カットスタイルクラブ」等、直営店の運営、独立支援事業 |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
地域サービス型 |
提供サービス
千葉県内に5ブランド17店の理美容店を展開。POSレジの活用や顧客アンケートの実施により顧客データを収集・分析し、個々のスタッフやサービスの課題発掘や解決を行うことで、顧客満足度の向上や高い顧客のリピート率を実現している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、労働集約型からシステム経営への転換を図り、企業理念の浸透に注力すると共に、業界に先駆けてITを活用した顧客データの分析や顧客ニーズの把握を行い、これを人事評価・育成制度に活用することで従業員満足度の向上や個々の課題解決によるサービスレベルの向上を実現。高い顧客再来店率を実現している点にある。
- 全国の理美容店は約35万軒とコンビニやガソリンスタンドをはるかに超える数が存在する中で、低収益・低賃金で社会保険料の負担もなく従業員の定着率も悪いことが多いといわれる理美容業界の産業体質に疑問を持ち、従業員の評価基準作りやサービスの向上に向けた取り組みを開始。
- POSレジの導入による売上データの管理・分析により、一度来店した顧客が再来店するかどうか、再来店は何日目かなどの情報の把握や、担当スタッフ、顧客の年齢、利用したサービスメニューごとのサービスを「見える化」による集客・再来店率の向上に注力。
- サービスの「見える化」により、それまで気付かなかったスタッフの個々の課題を発掘し、個別に強化すべき技術の習得や接客プログラムを実施し改善。また人事評価制度も顧客の評価を反映。
- 美容業界に合ったPOSレジの採用やソフトの自社開発を行い、データ分析のための子会社を設立。
- データ分析により業務プロセスの標準化やベストプラクティスを発見し、人材を適正化・効率化。
- 来店客31万5,000人にアンケート葉書を送付し、顧客ニーズのさらなる把握に努めている。
- 顧客の声はスタッフ全員で共有。ITが苦手なスタッフでも容易に共有できるよう紙ベースで配布。
- 2009年10月には実際の店舗を模したトレーニングルームなどを備えた専用のトレーニングセンターを開設し、現場の再現によるスタッフの施術のCD化など効果的な教育を実施。
- 社長自らが作成した360ページにもわたる道徳用語集「フィロソフィー」などを活用し、毎朝朝礼などで読むなど、スタッフ全員に企業理念の浸透を図っている。
- 通常40~45%とされる業界水準をはるかに超える約60%という高い給与設定を行っている。
- 従業員の将来に対する不安を解消するため、のれん分けによる独立支援制度を導入し、BSCによる出店・立地調査や同社のバックアップの下に金融会社からの融資などを可能にするなどのサポートを行っている。
- 現在の展開店舗数は17店舗(2009年11月現在)で、全店が黒字経営(オープンしたばかりの1店を除く)。また平均で82.4%という再来店率を誇り、最も高い店舗では94.7%となっている。
- 理美容業界では初ともいわれるPOSレジ導入によるIT化や顧客管理、データを活かした人材育成などにより、従来の労働集約型からシステム経営への転換に成功した。
- 過去12年で売上高は11倍以上となり、利益は約20倍以上となった。
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