受賞の観点
生産性の向上や効率化への取り組みで、高品質・低価格での多店舗展開を実現
URL |
http://www.saizeriya.co.jp/ |
業種 |
飲食・生活関連サービス |
所在地 |
埼玉県 |
事業概要 |
イタリア料理店「サイゼリヤ」をチェーン展開するフードサービス業 |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
国際サービス型 |
提供サービス
「日々の価値ある食事の提案と挑戦」を理念に、イタリア料理店『サイゼリヤ』のチェーン展開を行っている。リーズナブルな提供価格の設定で、幅広い客層からの支持を得て国内約800店の店舗展開を行っている。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、「日々の価値ある食事の提案と挑戦」を理念に、素材の開発から商品提供までを自社で一貫して行う製造直販スタイルの導入や、継続的な数値化による合理的な改善活動により、生産性の向上や効率化に成功し、単なる価格競争に終わらない高品質・低価格での商品提供と多店舗展開を実現している点にある。
- 創業者である正垣会長は、創業当初、来店客がなかったことから、料理の質を落とさず価格を下げる実験を試み、3割、5割と価格を下げ、7割になったところで店が連日の行列となったことから、その価格でのレストラン運営実現のために効率化への取り組みを開始。「豊かな食文化」の提案によってできるだけ多くの人々を幸せにし、これを社会貢献のレベルにするために、最低でも国内1000店舗のチェーン展開を目標とした。
- 最適な品質の商品を最適な価格で提供すること目的に、料理の素材や加工、店舗での調理など、各段階でのムダを省くため、素材の開発・集荷~加工~店舗調理~商品提供までを自社で一貫して行う「バーティカルマーチャンダイジング」(製造直販)を採用。
- 福島県白河市にはサイゼリヤ農場があり、野菜の種の開発や苗の育成から収穫までを一貫して行い、提供する料理に最適な品質の野菜の開発や低コストでの野菜の提供のために農作業の生産性の向上に取り組んでいる。
- 使用する食材にこだわり、最高級の生ハム「プロシュート」やワイン・オリーブオイルなどイタリアの食材は産地・メーカーと連携して品質を向上させ、自社での直輸入によってリーズナブルな価格で提供。
- 顧客に安定して素早く商品を提供するため、国内に4工場、オーストラリアに1工場のカミサリー(食品加工工場)を持ち、最適な状態に加工した食材を店舗に供給することで、店舗での調理を可能な限り簡素化・システム化している。
- 2006年には、物流革新プロジェクトを立ち上げ、100を超える改善テーマに取り組み、取り組み開始から累計で6億円以上の物流費を削減。遠方に安く配送を行うため、中間拠点を設けることによる積載率の向上や効率化、配送ルートや配送時間の変更によるルート削減など、様々な改善を行った。これらは物流事業者との協力の上で行っており、パートナー企業に対しては、売り上げが減っても利益が増え、win-winの関係が成立するよう配慮している。
- IE(インダストリアル・エンジニアリング)の考えに基づいて数値化による合理化を推進。実験店での接客や調理など作業のすべての工程を撮影し、作業を秒刻みの動作に分解してムダを発見し、改善を行っている。
- 定期的なトップによるセミナーの開催によって企業理念の浸透を図るとともに、人材育成にも注力。段階的な教育などの育成プログラムに加え、海外店舗での研修や選抜制のイタリア研修旅行なども実施。
- 2003年からは海外への出店を開始。13.5億人の人口を持つ中国での出店を中心に、台湾や香港、シンガポールなどでも展開を行っている。
- 2005年より新規事業としてファストカジュアル事業に進出。ファストカジュアル業態の『サイゼリヤEXPRESS』では、レストラン業態のノウハウを活かして、高品質の食材を使用しながら、スパゲッティ1皿180円、スープ150円などの低価格提供を行っている。
- 2009年8月期の売上高は過去最高の883億2,300万円となり、創業以来37期連続での増収を記録。
- 『サイゼリヤ』の展開店舗数は国内800店舗となり、海外では40店舗となっている(2009年8月現在)。
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