受賞の観点
コンテンツのマルチユースと地域の活性化を「北海道」を魅せる映像の国際展開で実現
URL |
http://www.htb.co.jp/ |
業種 |
出版・メディア・広告 |
所在地 |
札幌 |
事業概要 |
民間放送事業 |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoB型 |
環境特性 |
国際サービス型 |
提供サービス
地方放送局としていち早く国際連携事業にも取り組みを開始し、東アジア等への北海道映像情報の発信および観光客誘致やそれに伴う地元経済の活性化などに大きく貢献している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、1990年代初頭からの放送業界におけるメディア及びビジネスモデル変革の兆しをいち早く察知し、デジタル化時代に対応したコンテンツビジネス展開に向け、アジアを中心とした国際的な情報発信に取り組みを開始した点にある。ローカルならではの素朴な北海道映像をリユースして発信したことがアジアからの観光客の誘致につながり、北海道経済の活性化に大きく貢献した。
- 1980年代後半より北海道と関係があった中国黒竜江省電視台や米シアトルの放送局、旧ソ連の放送局などと友好関係を目的とした提携を結んでいたが、1990年代以降は意識的に北海道情報の海外への発信を考えた提携関係を展開。
- 東アジア向けの日本初のチャンネルをつくるため、1997年3月に住友商事やTBSが中心となって衛星放送会社「JET TV」を立ち上げた際、地方局として唯一資本参加し、週1回1時間の放送枠で北海道の情報発信を行う「北海道アワー」の放送を開始した。
- 地域経済の活性化のため「北海道アワー」の制作に際しては北海道庁に話を持ちかけ、地元経済界や道内市町村などと産官連携組織「東アジアメディアプロモーション北海道推進協議会」を設立。道庁商工企画課が協議会のための事業予算を組み、3年間「北海道アワー」の制作、放送にかかる費用の約3分の1のサポートを受けることができた。
- 「北海道アワー」では、北海道の人々の暮らしぶりをありのままに伝える番組制作を心がけ、道内の地上放送用につくられたインタビューや情報番組を再編集し、コンテンツのマルチユースを行った。
- 2003年には中国人民日報社と友好協定を結び、新聞、Web、放送などクロスメディアでの包括的な連携を開始。また2006年には上海メディアグループ、2008年には韓国東亜ドットコムとも提携。
- 2007年からは「BBC Motion Gallery」でも同社が制作した北海道の映像が約1,000タイトル提供されており、映像の2次利用として、放送、CM映像への利用が見込まれている。
- 北海道では、台湾からの観光客が1997年の5万2800人から、2005年には約5倍の27万6800人となり、また韓国、シンガポール、中国などその他アジア地域からの全観光客数は2001年の20万2250人から2005年の46万6450人と大幅に増加。2005年の台湾からの観光客へのアンケートによると、北海道の観光情報の入手手段の20%超をテレビが占めており、「北海道アワー」は地域経済の活性化に大きく寄与している。
- アジアからの観光客の多くはテレビで視聴した「雪」「温泉」に魅力を感じて北海道を訪れ、国内観光シーズンが終わった冬に集中したことから、北海道の観光産業構造が夏中心から通年に拡大。
- 1997年には1兆円と言われた観光産業規模が現在では2兆円規模に成長。
- コンテンツを再編集して海外に配信することにより、コンテンツの著作権問題やDVDなど新しいメディアへの対応や、地上波放送以外のコンテンツをつくることを意識した素材撮影のノウハウを蓄積することができ、人材育成に大きなプラスとなった。また協議会から道内市町村とも強いつながりを結ぶことができた。
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