受賞の観点
「付加価値の創造」によってブランド力を確立し、グローバルな事業展開を実現
URL |
http://www.barcos.jp/ |
業種 |
卸売・小売 |
所在地 |
鳥取県倉吉市 |
事業概要 |
ハンドバッグ、小物の企画製造販売及び輸入販売 |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
広域サービス型 |
提供サービス
海外での事業展開による最新のトレンドの把握やスピーディーな生産体制の確立をベースに、ハンドバッグや小物の卸売事業、百貨店事業、直営店事業、海外事業、OEM事業を展開している。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、常に「付加価値の創造」について自らに問いかけ続け、百貨店事業や海外事業を通して生み出したその独自の付加価値を活かして、顧客の求めるサービスを創出していった点にある。特に海外における展示会出展やトレンドの把握、生産拠点などを有効に活用した戦略は、同社のビジネスの成長に大きく寄与した。
- ビジネスのスタート当初、自社にブランド力がなかったことから、バッグに「爬虫類皮」という付加価値を持たせて販売。その後、流通業のトップである百貨店への参入を狙い、日本での販売代理店を探していた「PICARD」の代理店になり、「ドイツバッグメーカーの販売代理店バルコス」という肩書を得て、百貨店事業参入に成功。「PICARD」のバッグは当初はデザインやサイズが日本人に合わず売れなかったが、中国の工場で水牛皮の日本仕様のバッグを作ったところ、これが人気となった。
- 「PICARD」に加え、百貨店で自社ブランドのバッグや雑貨販売を開始し、事業は拡大。しかしディベロッパーの商業ビルテナントでの直営事業に進出したが失敗。顧客は「百貨店で扱っているバッグ」を購入していたということに気づいたことから、ビジネスモデルについて再考し、ライバルの少ない海外事業での展開を考えた。
- 2007年1月、他社と差別化した付加価値をつけるため、イタリア(フィレンツェ)に支店を開設。
- 2007年9月には、日本企業として初めてミラノの国際皮革製品見本市「MIPEL」に出展を開始。3回目となった2008年秋には、世界491社の中で、 「デザインイメージ賞」上位5社にノミネートされた。
- 著名なイタリア人デザイナーにブランドの監修を依頼し、いち早くトレンドを取り入れる工夫をした。
- 「生産は適材適所」という考えに基づき、中国の広州にサンプル工場を開設。
- 「MIPEL」への出展や、トレンドをすばやく製品生産に活かす仕組みにより、国内でのOEMに加え、相手先のブランド名で設計から製造までを手掛けるODMが急増。セレクトショップにも取引が一気に広がった。また北欧などを始め、海外にも販路が拡大。
- 現在ではターゲット、価格帯、素材別に4つのブランドを持ち、全国小売店舗に展開。
- 「百貨店ブランド」という強みを活かして、地方・郊外展開を行う直営店事業に注力。佐賀や唐津など、商業集積地と競合せず、有名百貨店がないなどの条件に合ったエリアへの出店で売上を伸ばしている。
- OEM/ODMなどの顧客からの抽象的な言葉やイメージに対し、「イタリアからのクオリティーの高いトレンド情報」、「ODM提案ができる人材」、「適材適所におけるスピーディーな生産力」、「日本基準の品質の高さ」という総合力をベースに、ニーズにマッチした製品の提供で高い評価を得ている。
- 百貨店事業は、伊勢丹、三越、高島屋など全国有名百貨店45店舗にて展開(2009年9月現在)。
- セレクトショップやアパレルメーカー、また通販会社とのOEM取引が過去3年で急増し、現在では30社を超えている。
- 中国国内の伊勢丹などでの販売展開に加え、「MIPEL」を契機に、欧州・北米・東欧、中近東、アジアに販路が広がっている。
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