受賞の観点
「地産地消」により地域の農家を支援、「生産者の顔が見える」安全な食のサービスを提供
URL |
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業種 |
飲食・生活関連サービス |
所在地 |
三重県多気町 |
事業概要 |
弁当・総菜販売、レストラン運営 |
市場特性 |
マルチプレイヤー型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
広域サービス型 |
提供サービス
相可高校の食物調理科の生徒が運営するレストラン「まごの店」は、地元で生産される有機野菜や特産品などを使用し、地域に貢献、また高校生が運営するレストランとして全国的に有名なった。この成功を受けて新たに設立された株式会社相可フードネットが、弁当・総菜店「せんぱいの店」を地元の大型ショッピングモールで開店。安全・安心な食のサービスを提供するとともに、同校食物調理科卒業生に職場を与えている。
ハイ・サービスのポイント
両店とも「地産地消」の仕入れ&販売により地元農家の振興と事業の効率化を図っている。「せんぱいの店」は地域密着事業として食物調理科卒業生の就職の受け皿を目指すなど、物心ともに地域と一体化していることが強みである。
- 「まごの店」は、地元の農産物直営施設の食材を利用した、相可高校の食物調理科の生徒が運営するレストランとしてオープンし、その後、全国で唯一高校生が運営するレストランとしてメディアに取り上げられ有名になった。
- 地元の市民団体「まちおこし仕掛人塾」が中心となり、相可高校、農林商工課が協力する形で、コミュニティービジネスを企画。株式会社相可フードネットを設立し、弁当・総菜店「せんぱいの店」を地元ショッピングモール内に出店。
- 同社は地域の人的ネットワークのなかで、出資者や代表・店長が集まって成立した。設備投資は県の助成や銀行からの借入により賄った。
- 相可高校卒業生を積極的に採用し、他店での研修なども組み合わせてスキルアップを図っている。20代の調理スタッフ全員が同校卒業生である。また、パートナーとして、58~68歳までの5人が、まごの様な20代の調理人を支えている。
- 「せんぱいの店」開店前から約20戸の支援農家を「アグリメイツ」という名称で組織化し、有機栽培の野菜など生産者の顔が見える安全・安心な食のサービスを実現。旬の新鮮な野菜を使ったメニューを提供している(アグリメイツからの仕入れは10-20%程度。残りの野菜は流通業者からであるが、100%県内産を使用)。卵、豆腐、醤油、割り箸は100%多気町産。
- 同社は広告宣伝費をかけるほど資金が潤沢ではなく、「まごの店」に取材にきたマスコミに「せんぱいの店」を紹介してもらい、同時に雑誌やテレビに露出することで知名度の向上を図っている。
- 「せんぱいの店」では「まごの店」で出している料理のレシピ集をメニュー開発に役立てるなど、成功したモデルケースのノウハウを取り入れている。
- 伊勢いもをはじめとした地域農産物をPRすることにより地域ブランドの発展に寄与している。
- 流通に乗りにくい規格外の野菜などを「アグリメイツ」から仕入れることによって、地元農家を支援すると同時に材料コストの低減化を実現している。
- 県外総菜店への研修旅行など、人的ネットワークを活かした教育の継続により、スタッフの調理・接客のスキルアップに取り組んでいる。
- ガラス張りの調理スペースなど、顧客に対する調理工程のオープン化により安全・信頼性を確保している。
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