受賞の観点
サービスの質と生産性の向上により、さまざまなホテル・旅館を再生
URL |
http://hoshinoresort.com/ |
業種 |
観光・宿泊・リゾート |
所在地 |
長野県軽井沢町 |
事業概要 |
リゾート・温泉旅館経営・運営受託、フード事業、温泉施設運営事業、ブライダル事業など |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
広域サービス型 |
提供サービス
1904年に軽井沢の開発に着手し、1914年に創業した温泉旅館。バブル崩壊後の業界低迷、リゾート法の改正などに危機感を覚え、1995年、事業内容をリゾート運営業に特化した。顧客満足度調査結果を重視したサービス提供を実施するとともに、従業員の労働生産性を向上させる施策などを導入し、経営が傾いた多数のリゾートや旅館の再生事業に取り組み、黒字化に成功している。
ハイ・サービスのポイント
リゾート運営会社として真のプロフェッショナルであるために「達人の3条件」と呼ばれる3つの数値目標を掲げ、施設などのハードウェアではなく、運営ノウハウというソフトウェアを重視。それらを達成するためのマネジメントの仕組みを構築し、各運用先に随時適用する実行力が同社の強み。
- 前身の旅館再建時に蓄えたノウハウをもとに再生・運用手法を構築。リゾート運営には施設=ハード以上に、顧客に満足感を与えるノウハウ=ソフトが重要であると考え、 ITの発達による「顧客評価が広まるまでの時間短縮」に着目し、細やかな顧客満足度調査の実施によりサービスを向上させている。改善点を「顧客の生の評価」として従業員に周知させることでサービス意識の変革にも成功している。
- サービスに関わる従業員全員を「サービスチーム」と名づけ、一人ひとりにチームのメンバーとしての意識を徹底させることで、従業員の間にあった仕事の境界線をなくし、各業務すべてを全員がローテーションで体験させ、複数の仕事を覚えさせる「マルチタスク制」と呼ばれる人的マネジメントシステムを導入。各スタッフの手待時間や業務引き継ぎの手間などを減らし、労働生産性を向上させている。このシステムは結果として迅速な顧客対応を可能にさせており、サービスの質の向上にも寄与している。
- 具体的な達成目標として、?顧客満足度調査アンケートの満点「3」を基準に平均値2.50の達成?経常利益率20%の達成?環境NGO「グリーン購入ネットワーク」策定の「ホテル・旅館エコチャレンジチェックリスト(全88項目25点満点)」を基準に24.3ポイントの獲得――の3つを掲げ、この3つの目標の同時達成を「リゾート運営の達人」としている。それぞれ、高い目標値を設定しているため同時達成は難しいと考えてはいるが、目標値をあえて高く掲げることで従業員の意識向上と自社の研鑽を促している。
- 会社や各旅館・リゾート施設では、従業員同士の情報や方針の共有が重要と考え、施設全体の運営に関わる社内定例会議には全従業員が参加できる体制を敷いている。各従業員に会社参画意識を持たせることでモチベーションの向上を図るとともに、積極的な顧客サービスが生まれる土壌を確保している。
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同社HP
星野佳路社長は国土交通省選定。『観光カリスマ百選』にも選ばれている
山梨県にあるリゾナーレは再生運営開始。3年目で黒字化、4年目には経常利益8,000万円を計上するV字回復を達成した
同社の社員採用HPでも「旅館再生」を強くアピール。事業参画意識の高い人材確保に努めている
ホテルで定番のウエディング事業も顧客満足度調査をもとに生まれ変わらせたサービスの一つ。顧客満足度調査は、サービス提供側と享受側のギャップを埋めるのに欠かせないツールとなっている