受賞の観点
魅力的なサービス展開で圧倒的な集客力を誇る「リゾート型アウトレット」
提供サービス
同社は、古くから観光のシーズン格差が強い軽井沢エリアでホテル、スキー場、ゴルフ場、各種レジャー施設を複合展開していたことから、営業の平準化に向け、宿泊客の増加とリゾートとしてのメニュー拡充を主目的に、アウトレット型商業施設としては全国に先駆け、軽井沢・プリンスショッピングプラザを開業し、運営を行っている。
ハイ・サービスのポイント
国内初の本格的リゾート商業で、増床を重ねて日本を代表するアウトレットモールに成長。高級ブランド店を次々と誘致する積極戦略と、周囲の自然と一体となったリゾート型商業のコンセプトの実現を追求し、相乗的に効果を上げた。
- 同社は宿泊客の取り込みとリゾートとしてのメニュー拡充を目的に1995年、軽井沢・プリンスショッピングプラザウエストを開業。
- ウエストの開業はアウトレット型商業が全国的に広がる前であったこと、本格的なリゾート立地であることなどにより、今日の一般的なアウトレットと違い、日常性を担保するコンビニエンス系業種にも力を入れ、広大な芝生を抱えるなど、軽井沢というリゾート全体に融和したスタンスで行われた。
- ウエストの開業時は商業機能を拡大していく構想はなかったが、事業の好調さを背景に床面積だけでなく、テナント業種も拡大させていった。
- 広域競合と差別化を図るという意味でも、軽井沢が持つリゾート性はショッピングプラザの重要なアイデンティティーであり、広大な芝生を活用した施設配置、地元の工芸品店や地元食材を使うレストランの誘致といった軽井沢色の強調などに取り組んでいる。またアウトレットモールとしてだけではなく、リゾート全体の事業の一部として、「三世代で誰でも楽しめる商業施設」と位置付け、テナント店舗のスクラップ&ビルドを繰り返し、リピーターを飽きさせないことにも配慮している。
- リゾート地としての軽井沢は、ショッピングプラザができたことにより、従来に比べ2~3カ月はハイシーズンが伸びた。また秋季対策として新幹線を借り切ったイベントや、ホテルやゴルフ場、スキー場とのパック商品、冬季限定バーゲンなどにも取り組んでいる。
- 大量の集客による交通問題への取り組み(駐車場の整備、トイレ等の開放、誘導員の配置、パーク&バスライド等)はもちろん、地元のイベントへの参加、歩道の整備など、地域との協調を積極的に行っており、1000人近い雇用による地域への貢献も大きい。
- 開業時の年間60万人に対して現在は800万人と、軽井沢全体の来街者のほぼ100%に当たる。また2008年11月以降、不況の影響で売上が落ちていたが、4月からはまた対前年比でプラスに転じている。
一覧に戻る