受賞の観点
人材育成や評価制度の導入で、従業員のモチベーションとサービスレベルが向上
URL |
http://www.itcom21.com/ |
業種 |
情報通信・ITサービス |
所在地 |
札幌 |
事業概要 |
コンタクトセンター受注業務及びその関連業務、CTI・PBXシステム開発 |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
広域サービス型 |
提供サービス
2000年に国内初のWebコールセンターとして事業を開始。インターネットプロトコル技術を基盤とした自社開発のコールセンターシステムの開発により、低コストでのシステム構築を可能にし、また人財育成に注力することにより、クオリティーの高いサービス提供を行っている。
ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、コールセンタービジネスの競争力の源泉を人財のクオリティーとそれを向上させる仕組みと考え、「コミュニケーターの正社員化」という基本ポリシーのもと、専門性・マルチタスク能力の高い人財を育成することで、大手寡占市場の中にあって独自の競争ポジションでの成長を目指した点にある。
- 典型的な大手寡占のコールセンター業界において、契約社員やパートタイマーが一般的だったコミュニケーターの正社員化と、業界で常識であった既成システムの導入利用を自社開発にすることに着目。
- 新規事業を立ち上げるためには最適な環境として、「産官学連携」が機能してコラボレーションできる場所として札幌を選択。また道、市、国の補助金を技術開発目的に集中的に使うことで戦略的な基盤づくりを目指し、独自のインターネットプロトコル技術ベースのコールセンターシステム開発に着手。自社開発のシステムであることから、クライアントニーズ、現場ニーズの双方に柔軟に対応でき、同社の大きな強みとなっている。また、開発したシステムはThinclient端末を用いており、個人情報保護の観点からもその有効性は大きい。これらシステムはコールセンターエージェンシーが作ったコールセンターのためのシステムとしてASPサービス事業の展開も行っている。
- コミュニケーター能力にバラつきがあるなどクオリティーの全体的な向上が大きな課題であったため、コールセンターの発祥であるエアライン業界に注目。ここから長年の応対ノウハウを吸収し、最も高い水準のサービスを提供する体質をつくるため、業務獲得を狙った。また、さらなるクオリティーの向上のため、同じく要求水準が高い通信業界や金融業界の営業攻略に着手。その結果、基本的なスキルの向上だけではなく、マルチスキルも吸収することができた。
- 人財育成がES(従業員満足度)向上に寄与することから、人財資格制度の「マスタースキル評価制度」を導入し、5項目の評価から総合的なコミュニケーター評価を行い、コミュニケーター自身のスキル確認とスキルアップを図り、常に高い品質でのサービスを提供。またスーパーバイザーの資格制度としてライセンス研修の実施や、各種協会の外部研修内容に自社の文化・風土を加味してブラッシュアップしている。またシステムとの連動により、客観的視野からコミュニケーター個々が各々のスキルに応じて目標設定が明確に行えるようになったことにより、離職率の低下につながった。
- 5年目の社員1000名の段階で制度的な限界に直面し、離職率が高くなったため、その後はいったん拡張路線を止め、1000名までの組織と1000名以上の組織の違いを念頭に置いた成長戦略に方向転換。サービス実務や管理面でも、人のクオリティーを把握・改善する取り組みを行っている。
- 9年間でクライアント数が20社、全国4拠点・従業員数1,170名(平成21年6月)まで成長し、岩見沢センターでは自治体、社会福祉法人との連携による障がい者雇用モデルコールセンターを構築。北海道大学大学院情報科学研究科メディアネットワーク専攻教員や札幌市立大学デザイン学部コミュニケーション特論専攻教員との共同研究や連携をはじめ、これらを含む道内大学等の卒業生の採用、アイルランド・レムリック大学からの留学生受入れなどにも取り組んでおり、分野によってはオンリーワンの強さを実現している。
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