受賞の観点
積極的な「情報発信」で地域全体の農産物の知名度向上とブランド価値創出に成功
URL |
http://bieisenka.jp/ |
業種 |
飲食・生活関連サービス |
所在地 |
美瑛 |
事業概要 |
地域農産物の、ショップ・レストラン・オンラインショップ運営 |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
地域サービス型 |
提供サービス
販路の開拓や商品開発につなげるため、美瑛全体の農業の情報発信拠点としてショールームを開設。また百貨店、相談会、イベントなどにも参加し、積極的なPRで産地全体の知名度向上とブランドづくりに取り組んでいる。
ハイ・サービスのポイント
美瑛選果の強みは、JAびえいが特定の農家の販売向上ではなく、美瑛全体の農家の直販販路拡大とブランド価値向上のために、全国への情報発信拠点(アンテナショップ)として展開している点にある。
- 美瑛は畜産、畑作、水田と総合力のある農業地域であったが、農産物の販売に関しては、卸売市場や加工業者との取引がほとんどで、一般消費者には「おいしいものがある産地」とは認識されていなかった。しかし産地の競争も激しくなったことから、総合力を活かして付加価値を高め、おいしい農産物の情報を発信し、販路の開拓や商品開発に取り組んでいくべきだと考えるようになった。
- 美瑛全体の農業のブランドイメージを上げるための情報発信拠点として、ショールーム「美瑛選果」を開設。コンセプトは「全国に産地提案型のおいしさを発信するアンテナショップ」で、美瑛全体の直販販路拡大とブランド価値の向上を図るのがねらい。北海道を代表する中道シェフとの共同プロジェクトとして企画を行い、それまで卸売市場や加工業者としか取引していなかった農協では気づかなかった野菜の魅力、使い方を学ぶことができ、シェフにはよい食材を提供することが可能になった結果、「産地提案型のおいしさ」を情報発信して、消費者や全国の取引先から反響を得られるに至った。
- ショールームでは、野菜のおいしさを知ってもらうため、試食コーナーを常設。その上で、買ってもらう「選果市場」、食べてもらう「野菜レストラン」、テイクアウトしてもらう「選果工房」を併設。またインターネットでの農産物の販売もスタートさせた。
- 「美瑛選果」を拠点に、積極的に様々な販売促進イベントや全国規模の相談会に参加した結果、翌年からは百貨店やバイヤー、新聞社などの反響が返ってくるようになった。また美瑛の農家からの美瑛選果への期待が高まり、どのような農産物を作るべきかなどの意見を求められたり、相談を受けるようになり、PRや販売促進活動の協力も得られるようになった。
- 現在の来店者の6割は北海道外からの観光客。割引などの特典が得られる「センカ・クラブ」の会員数は初年度が1500人、2年目には3500人近くにまで急増した。また東京などこだわりの飲食店から、仕入れの問い合わせが増加するなど、オール美瑛として農家の若い人たちや観光協会に販売促進の機運が高まっている。
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