受賞の観点
業界の変革、事業拡大、経営の効率化とIT技術の多面的活用を実現
URL |
http://www.kensakun.net/ |
業種 |
観光・宿泊・リゾート |
所在地 |
札幌 |
事業概要 |
不動産仲介管理、不動産関連情報システムの開発・販売ほか |
市場特性 |
ニッチスペシャリスト型 |
業態特性 |
ハイバリュー型 |
取引特性 |
BtoC型 |
環境特性 |
広域サービス型 |
提供サービス
賃貸物件オーナーや管理会社から賃貸物件の情報を収集しデータベース化。インターネットによる賃貸物件検索システム「けんさくん」によって利用者に情報提供している。また同業他社にASPサービスとしての販売も行っている。
ハイ・サービスのポイント
業界慣習を塗り替える透明性の高い物件データベースを構築するとともに、これと連動した業務系システムを開発。戦略的なIT活用により競合企業と比較して圧倒的な効率化と生産性向上を実現し、さらに情報を売るという新しいビジネスでも成果を上げている。
- システム会社を経営していた現社長は、所有・運用していた賃貸用不動産の管理について不満を抱いており、不動産仲介・管理業界の体質の古さに対し、ITをコア技術として活用できたなら業界に革新をもたらすことが可能と確信し、同業界に参入した。
- いくつかの社内システムの開発を経て、経理・物件管理統合システム「ビッグ管理システム」や札幌市内賃貸物件検索システム「けんさくん」の開発に着手。しかしシステムが大規模になることから自社開発の必要に迫られ、またデータベース構築にあたっても、ほとんどの仲介業者では情報がコンピューター管理されていなかったことから膨大な入力が手作業になるなど負荷が大きかった。但し、結果的には自社開発を行ったことで、不動産業者としてのノウハウが細部まで反映されたシステムが完成した。
- 飛躍の第1歩は、経理・物件管理統合システムの開発によって業務管理系の人件費を飛躍的に削減できたこと。手作業なら、仮に1万のユーザーに毎月報告書を出そうとすると、1人500件が限界であるため人員は20人必要になるが、ビッグでは3人で処理しており、浮いたコストをシステム開発費に投入している。
- データベース「けんさくん」は社内的なシステムだったが、エリア内の物件のほとんどをデータ化できた段階で、他の仲介業者にも有用だという見通しが立ってきたため、札幌圏内の同業他社へASPでシステムを販売し、同社のデータベースは事実上同商圏のスタンダードとなった。
- 古い業界体質を改善し、顧客の利益につながるようにという意味で、情報の透明性にこだわっており、同時に物件データベースと業務系システムが連動しているため、正確なデータにもこだわっている。ユーザーにもオーナーに対しても透明であることが同社のポリシーであり、バイアスを避けるために仲介店舗が絡んだ情報は入れず、情報収集はオーナーサイドからしか行っていない。
- 現在では札幌でのデータ化戸数32万戸と商圏内をほぼ網羅し、デファクトスタンダード化を実現。管理戸数は当初計画の約2倍の2万戸となっている。また2008年度より東京、大阪、福岡へ進出し、仙台など他の政令指定都市への順次進出も計画をしている。
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