事例紹介

2015年6月8日

会宝産業株式会社 ~中古エンジンの性能を可視化し、世界的マーケットの創造を狙う~

 

今回は、「会宝産業 株式会社」のハイ・サービスのポイントを紹介します。
ITを活用した生産管理・販売管理の仕組みや作業工程の標準化によって自社の部品品質を高めるとともに、 業界全体に仕組みの輪を広げることで「リ・ユース・モータリゼーション」という事業を確立しています。
そんな会宝産業のハイ・サービスのポイントと「世界的なマーケットの創造」をキーワードとした今後の展望について、ご紹介します。

 
★ハイ・サービス日本300選 第5回受賞★
独自の管理システムと流通ネットワークで、国内外に広がる中古車部品のリサイクル

★ハイ・サービスのポイント★
【第5回受賞時のポイント:科学的・工学的アプローチ】

●提供サービス
中古自動車部品の製造・販売基幹業務統合管理システムの開発により、中古部品の在庫管理や品質管理の精度を高め、国内・海外を結ぶ独自の中古車部品流通ネットワークを構築・運用している。

●ハイ・サービスのポイント
同社の強みは、ITを活用した生産管理・販売管理の仕組みや作業工程の標準化によって自社の部品品質を高めるとともに、 業界全体にこうした仕組みの輪を広げて、「リ・ユース・モータリゼーション」という今日的意義のある事業を確立した点にある。

  • 海外のバイヤーが部品を買い付ける場合は、欲しい部品を見つけてそのつど価格交渉を行っており、また部品の相場はエンジンの型式などに従ってほぼ決まっていたが、メーカー、年式、走行距離などにより品質が違うにもかかわらずそれが反映されていなかったため、海外向けの部品には品質を保証する仕組みを作る必要があった。
  • いくつかの試みの後、2004年、経済産業省「IT活用型経営革新モデル事業」に応募。助成金を活用して、中古自動車部品の製造・販売基幹業務統合管理システム(KRAシステム)を開発。在庫管理データベースシステムを核に、仕入管理、販売管理、生産管理などの各サブシステムで構成され、国内外のアライアンス企業にもインターフェースを提供。またASP(ソフトウェアの期間提供)により各サブシステムの提供もなっている。
  • 「KRAシステム」導入の結果、在庫管理、品質管理の精度が向上し、一定の基準で品質や状態を評価して価格を決め、市場へ流通させることが可能になり、また蓄積された過去の取引実績によって国や地域ごとの需要動向をつかめようになり、価格の調整ができるようになった。
  • システムをベースに、商社に頼らない独自の販売ルートを開拓した結果、世界74ヵ国と取引実績を持つまでに成長。また国内約30 社の自動車リサイクル関連事業者と「NPO 法人RUM(リ・ユース・モータリゼーション)アライアンス」を形成し、部品調達・供給などビジネス面での連携を深めながら、自動車リサイクル事業の普及・標準化のリーダー的役割を果たしている。

受賞の詳細はこちらをご覧下さい

 

【現在の取り組み -インタビューより- 】
■中古エンジンの性能を可視化
受賞時は、中古自動車部品の製造・販売基幹業務統合管理システムの開発により、中古部品の在庫管理や品質管理の精度を高め、国内・海外を結ぶ独自の中古車部品流通ネットワークを構築・運用していた。
その後の新たな取り組みとしては、2010年にJRS(ジャパン・リユース・スタンダード)という独自の規格を作り、これまで品質にばらつきのあった中古エンジンの性能を可視化し、ラベルに表示。明確に品質が分かるようになった。更にこのJRSをベースとした中古エンジン評価規格の公開仕様書「PAS777」が英国規格協会から正式に発行された。将来的には、ISO規格に発展する可能性もある。


【今後の取り組みの展望】
■世界的なマーケットの創造に向けて

2014年12月アラブ首長国連邦のシャルジャに中古部品のオークション会場をオープンした。インターネットの入札システムを開発し、PAS777の評価を表示することで、会場のみならず世界中どこからでも入札できるようにした。今後は、このオークションシステムとPAS777を世界に普及させ、誰もが安心して、信頼できる中古部品の取引ができるマーケットを創造していきたい。 

 

(2015年5月現在)

会宝産業のホームページはこちら!