ハイ・サービス日本300選
2014年6月10日
今回は、リアルな街の中で、こども達が職業・社会体験ができる「キッザニア(KCJ GROUP 株式会社)」のハイ・サービスのポイントを紹介します。
キッザニア・デ・メキシコ社が運営する教育とエンターテインメントを統合したエデュテインメント型テーマパーク「キッザニア」の運営を目的として設立。テーマパークは、屋内にこどものスケールに合わせた街をつくり、数多くの体験場所(パビリオン)で職業・社会体験が楽しめるように工夫されています。
そんなキッザニアのハイ・サービスのポイントと「キャリア教育」「EAP-イングリッシュ・アクティブ・プログラム」をキーワードとした今後の展望は・・・
↑キッザニア公式ホームページより 各種パビリオンの様子
★ハイ・サービス日本300選 第2回受賞★
「職業・社会体験」を通し、社会のしくみが楽しみながら学べるレジャー施設
★ハイ・サービスのポイント★
【第2回受賞時のポイント:サービスの高付加価値化】
●目的
メキシコで生まれた事業コンセプトや事業形態自体が、従来のテーマパーク型施設とまったく異なるオリジナリティー、ユニークネスを持っているが、同社の強みはこれをただそのまま移植するのではなく、日本のこどもたちの環境に適合させるきめ細かな配慮と工夫をこらして、日本的なサービス価値、顧客価値を創造している点にある。
●取り組みの指針
•基本コンセプトの踏襲とそのアレンジ。
•実物そっくりの職業体験。
•道具からユニフォームまで臨場感たっぷり。
•働けば、お金(専用通貨キッゾ)が手に入る。稼いだキッゾで買い物もできる。
•社会を体験する。学ぶ。
•スポンサー企業の協力を得たこども本位の運営。
•リピーターを重視した事業運営。
•日本独自の顧客志向でのサービス運営。
受賞の詳細はこちらをご覧ください。
→https://www.service-js.jp/modules/spring/?ACTION=hs_data&high_service_id=39
【現在の取り組み -インタビューより-】
2014年4月で累計入場者数1,000万人を超え、東京、甲子園ともに多くのお客様にご支持を頂いております。KCJは2004年9月に、こどもの職業・社会体験施設「キッザニア」の運営会社として発足し、「エデュケーション(学び)」と「エンターテイメント(楽しさ)」を合わせた“エデュテイメント”をコンセプトとし、『こども達の生きる力を育む、真のエデュテイメントを目指す』という理念の下、施設運営に取り組んで参りました。今年で創業10周年を迎える節目として、累計1,000万人を超えるお客様をお迎えできたことに、心より感謝を申し上げます。
■園児限定 はじめてのキッザニア
園児(3歳~小学生未満)限定で、通常の半分程度の人数制限を行いますので、ゆったりと体験していただけます。初めての方でも分かり易く、安心して体験していただくために、ご質問やご相談にお答えできるスタッフを充実させております。常設の乳幼児エリア(2F)に加え、お子様達にゆったりお過ごしいただけるプレイゾーンを特別に設置いたします。幼児をお連れの方にもゆったり過ごしていただけるよう、通常よりベビーカー置き場を広く設置いたします。小さいお子様でも気軽にご利用いただける時間と料金を設定しました。
■中学生限定 ジュニアキャンパス・ナイト
この日だけの特別企画が盛りだくさん。キッザニアオリジナルの謎解きゲームや、中学生用にレベルアップした特別アクティビティを体験いただけます。また、仕事のプロフェッショナルを招いた特別企画や起業をテーマとしたワークショップへの参加など、中学生の皆さまが楽しめるプログラムがいっぱいです。
■ジョブスケジュールカード
入場の際、お子様1名につき1枚のJOBスケジュールカードを渡します。お子様がカードを持って、ご希望のパビリオンで受付をします。体験開始まで時間がある場合、スーパーバイザーがカードに集合時間を記入します。この手続きで、パビリオンを予約したことになります。各パビリオンでの受付・予約は、先着順に行い、定員になり次第終了します。体験する時間を指定することはできません。集合時間まで、待ち列を離れ他のパビリオンの体験が可能ですが、予約を2つすることはできません。これにより、時間を効率的にご活用頂けます。
■EAP
EAPは「English Activities Program」の略で、全て英語を使う「E@K Activity」を連続して体験できるプログラムです。EAPナビゲーターといっしょに3つのアクティビティを英語で体験できます。他にも小さいお子様や英語を習っていないお子様でも、気軽に参加できるプランもご用意しております。
ネイティブスピーカーの常勤英語講師によって英語力を認められたスーパーバイザー1名が、EAPナビゲーターとして同伴します。こども達が 英語で会話できることを重視していますので、グループ内のこども達はすぐに仲良くなり、楽しくお仕事を体験することができます。
■アウト・オブ・キッザニア
キッザニアの街を飛び出して、実際の仕事現場を知ることができます。1-3日間のイベントとして、開催回ごとに参加者を募集しています。グループに分かれて、リアルな仕事現場を取材。仕事内容や働く人のことを書いた新聞を作り、発表します。
1グループで1つの仕事について、詳しく取材します。それぞれの仕事内容に合わせて、その仕事のことが一番良く分かるような方法で取材しています。今までには、自分たちで実際に「林業」の作業をしたり、甲子園球場の選手ベンチや記者席を取材したり、マイナス40度の冷凍倉庫に入ったり「Out of KidZania」だからこそできる特別の取材経験を企画しています。
仕事に関わるプロの人にインタビューします。30分から1時間くらいかけて、じっくり1人の人にお話を聴きます。仕事の内容だけではなく、「仕事をしていて嬉しいこと」「仕事をする時に自分が必ず守っていること」…など、その人が「大切にしている何か」がきっとみなさんにも伝わります。
■新規スポンサーによる、魅力的なパビリオンの出展
こどもが大人になりきって楽しむキッザニアでは、アクティビティのリアリティの実現のために、街並み、パビリオンの装飾や道具にいたるまで、出展企業様のご協力が不可欠です。キッザニアでは出展企業様を、パビリオンを提供している「オフィシャルスポンサー」、小規模のパビリオン提供、またはキッザニアのコンセプト全体に賛同いただいている「オフィシャルサポーター」、設備・機材提供を頂いている「オフィシャルサプライヤー」の3つのカテゴリーに分け、キッザニアを通じてこどもの将来を応援して頂いています。
14年3月には「キッザニア甲子園」にて、ヤンマー株式会社によるお米作り体験ができる「ファーマーズセンター」パビリオン、日本ハム株式会社が「ソーセージ工房」パビリオンを新規オープン致しました。
↑E@K Activityの様子
↑アウトオブキッザニアで職業現場体験
【今後の取り組みの展望 -インタビューより-】
創業10周年の節目の年に、累計入場者数1,000万人をお迎えした「キッザニア」は発祥国のメキシコの2施設に次ぎ、2006年に世界で3番目、日本で初めての施設として東京にオープンし、14年10月には8周年を迎えます。また14年3月27日にキッザニア甲子園は無事に5周年を迎えることができました。この間、運営面におきましては、サービスの向上を目指し、新規パビリオンの出展、新たなセキュリティーシステムの導入や英語体験への取り組みの強化、従業員配置の補強、期間限定・シーズナルイベントの実施などに取り組みながら、お客様からのご意見・ご要望に日々応えるべく、絶えず進化して参りました。
今後も職業・社会体験プログラムの精度向上や全般的なサービスレベルの向上に努めるとともに、従来の英語プラグラムをさらに進化させた「グローバル人材育成」を目的としたプログラムの導入、積極的な学校との連携による「キャリア教育」授業の充実に努め、中長期的には「キッザニア」を日本全国で既存の施設を含め5~6か所展開すべく準備を進めて参ります。
そして、こども達の生きる力と未来への希望を育む街を維持・継続し、より一層充実した職業・社会体験の場の提供を目指し、安全・安心・快適な施設の運営ならびにサービスの向上に努めて参ります。